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ベン・アフレック、バットマン役の卒業認める ─ 「アイム・ノット・バットマン」宣言、テレビ番組で卒業式開かれる

ジャスティス・リーグ
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『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)『ジャスティス・リーグ』(2017)でブルース・ウェイン/バットマンを演じたベン・アフレックが、バットマン役からの“卒業”を認めた

このたび米国のテレビ番組「ジミー・キンメル・ライブ!」に出演したアフレックは、司会者ジミー・キンメルからの「もうバットマンを演じないと聞きましたよ」との発言に「はい」と応じている。ちょっと待って!心の準備ができてない!

単独映画『ザ・バットマン』報道の謎

2019年1月末、ワーナー・ブラザース&DCコミックス製作による単独映画『ザ・バットマン(邦題未定、原題:The Batman)』にベン・アフレックが出演しないことが報じられた。『猿の惑星:聖戦記』(2017)などのマット・リーヴス監督が手がける同作は、若き日のブルース・ウェインを描くストーリーになるとのこと。それゆえアフレックではなく、別の若い俳優がバットマンを演じると伝えられたのである。

この情報を受けて、海外および日本国内のメディアやブログでは「ベン・アフレック、バットマン卒業」との言説が飛び交った。しかし当時の報道だけでは、今後アフレックが二度とバットマンを演じないのか、それとも『ザ・バットマン』に出演しないだけなのかを判断することはできなかったのである。アフレック自身による「『ザ・バットマン』が2021年夏に公開されること、マット・リーヴスのビジョンに生命が宿ることを楽しみにしています」とのツイートからも、その真相を見極めることは難しかった。

ところが今回、「ジミー・キンメル・ライブ!」にて、アフレックはバットマン役からの卒業をいともたやすく認めている。

「(バットマン役の卒業を)決断しました。僕は(バットマン映画を)監督しようとして、すばらしい脚本家の方と作業をしたんですが、答えを出すことができなかったんです。成功させられなかった。そこで、別の誰かにやってもらうべき時なんだと思いました。そして、とても良い人たちが見つかったんです。」

ここで語られているのは、2017年1月、アフレックが『ザ・バットマン』の脚本・監督を降板したことの真相である。しかし、当時の思いである「別の誰かにやってもらうべきだと思った」という言葉が『ザ・バットマン』の監督降板を指しているのか、そもそもバットマンを演じること自体を指しているのかは曖昧だ。どの段階で、アフレックが“バットマン卒業”を決意していたかはわからないままである。

「『ザ・バットマン』出演せず」報道の記事はこちら

唐突に開かれる卒業式

ともかくジミーは、「ちょっとしたサプライズ」だとして、「式典をやりましょう。バットマン役のバトンを渡す時は、いつもやるものなんですよ」と言い出した。番組名物、“ジミーの相棒”ギレルモがロビンのスーツに身を包み、「公式」らしいバットカウルとバットケープを持って登場する。

するとスタジオの天井からは、なぜかマット・デイモンが『恋するリベラーチェ』(2013)で履いていた下着が降りてきた。アフレックが匂いを嗅ぐと客席は爆笑。「ジミー・キンメル・ライブ!」恒例のマット・デイモンイジりなのだが、さすがに情報量が多すぎてついていけなくなりそうである。

デイモンの下着が掛かっていた場所に、ギレルモがバットカウルとバットケープを掛けると、ケープに「BATFLECK 12」と記されているのがわかる。2019年1月に開催された第53回スーパーボウルで優勝したパトリオッツのスター選手、トム・ブレイディの背番号である。「スーパーボウルの後に(ケープに)入れたんですか?」と尋ねられると、アフレックは「ずっとあったんですよ。8,000万ドルかけて消してもらっていたんです」。これは『ジャスティス・リーグ』でスーパーマン役のヘンリー・カヴィルがCGでヒゲを消していたことを踏まえたジョークだろう。だから情報量が多すぎるって!

ともかく卒業の時は来た。ジミーから「正式に言いたい言葉はありますか?」と尋ねられると、アフレックは「どうしよう、えっと…」と一瞬考えてから「アイム・ノット・バットマン(I’m not Batman.)」と一言。スタジオが笑いに包まれ、そして大きな拍手が起こる中、カウルとケープが吊り上げられていく。ジミーが「もう彼はバットマンではありません。バイバイ、バットマン!」と叫び、アフレックの出演コーナーは終わる。

「ジミー・キンメル・ライブ!」で行われた“卒業式”はいかにもバラエティ番組らしい演出だが、これはアフレックによる初めての公式発表であり、映像の中でアフレックが口にする言葉やリアクションは非常にリアルなものとなっている。ジミーの発言や二人のやり取りも含め、ここで語られていることに偽りはないだろう。繰り返し語られる「バットマンからの引退(retirement)」という言葉に、アフレックは終始頷いているのだ。その様子は、記事冒頭の映像にてじっくりとご覧いただきたい。

『ジャスティス・リーグ』以降、もっといえば『ザ・バットマン』の降板騒動以降、アフレック演じるバットマンの進退には大きな注目が集まっていた。バラエティ番組でこのように語られたことには驚きこそあるが、決して湿っぽくならない見送り方としてはふさわしいものといえるのかもしれない。筆者も一人のファンとしては、戸惑いと寂しさが同居しているところではあるのだが……。

ベン・アフレック、そしてアフレック演じるブルース・ウェイン/バットマン、これまで長らくお疲れさまでした。

Source: Jimmy Kimmel Live

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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