【ネタバレ】「アソーカ」第1話解説 ─ 「反乱者たち」との繋がり、読み解くポイント

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「スター・ウォーズ:アソーカ」第1話『師と弟子』ストーリー解説
それでは本編の話に入ろう。『スター・ウォーズ』ドラマ「アソーカ」パート1『師と弟子』は映画と同じようにオープニングクロールから始まり、アソーカがスローンに関わる地図を捜していること、新共和国がモーガン・エルズベスを護送中であることが説明された。
護送船にジェダイを名乗る船が接近する。乗船した2人の自称ジェダイは、いともたやすく警備兵を斬り倒していき、モーガン・エルズベスを解放した。モーガンはアソーカも地図を捜していると話す。両陣営がキーパーソンの居場所を示す地図を求めて争うのは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)と同じ構図の展開だ。

アソーカは謎の古代遺跡を訪れていた。2本のライトセーバーで床に穴を開け、地下に降りると円形の部屋があった。床に3つの小さな柱が立ち、壁にはローブをまとって玉を手にするエイリアンを象った3つのレリーフ、そして幾何学的な模様が描かれている。アソーカが何かを感じ取り、柱の上部を回すとレリーフの玉が光り始め、新たに出現した柱の中に捜していた地図を見つけるのであった。
地上へ出ると、暗殺ドロイドが待ち構えていた。「マンダロリアン」シーズン2のチャプター15『ジェダイ』で登場したモーガン・エルズベス配下のドロイドと同じ型である。今回はブラスターではなく、ライトセーバーに対抗できるエレクトロ・スタッフ持ちだ。5体の敵に囲まれるもアソーカは全く動じず、アナキンを思い起こさせるような奇抜な戦法で戦いを有利に進める。
しかしドロイドが自爆プロトコルに入ると逃走。ヒュイヤンの操縦するジェダイ・シャトルに乗って大爆発を逃れた。2人の元に今や新共和国所属となったホーム・ワンから連絡が入る。モーガン・エルズベス逃走の件についてだ。

ホーム・ワンに到着した2人は、エンドアの戦いのブリーフィングが行われた場所で、ヘラ・シンドゥーラ将軍から報告を受ける。アソーカからはスローンにつながる地図を手に入れたこと、ロックされて中身を見ることができないことを共有した。ヘラはサビーヌ・レンの助けを得ることを提案する。
所変わって、場面はすっかり繁栄している惑星ロザル。帝国撃破の記念碑をお披露目する除幕式が執り行われている。この場面以降では「反乱者たち」を観ていた人にとって、懐かしい面々の登場が続く。
まず聴衆に語りかけるのはライダー・アザディ。帝国時代に収監されたロザルの元総督だ。反帝国派のエズラの両親が命と引き換えに脱獄を手引きした後は、ロザル解放に尽力した。無事に総督の地位を取り戻したようだ。
サビーヌ不在で無茶振りを要求されたのはジャイ・ケル。エズラが帝国アカデミーに潜入した際、共に脱出することになった少年だ。その後はケルもロザル解放に身を投じ、スペクターズやアザディと共に戦った。また記念碑も「反乱者たち」の最後で、サビーヌがスペクターズのメンバーを描いた壁画である。
除幕式でスピーチをするはずだったサビーヌは、郊外へとスピーダーを走らせていた。警備班が連れ戻そうとするも命令を突っぱねる。ちなみに、警備班が名乗った「スペクター21」はかつてスペクターズが使ったコールサインである。“スペクター1”はケイナン・ジャラス、2はヘラ、3はチョッパーといった具合で使われていた。これまた彼らの功績を称えるものであろう。
サビーヌは彼女が住む通信塔に戻った。ここはかつてエズラが家としていた場所で、彼が集めたストームトルーパーのヘルメットコレクションも健在。またサビーヌは、ロザルの草原に住むロズ=キャットをペットとして飼い始めたようだ。
ホロプロジェクターを取り出し、再生したのはエズラからのメッセージ。「反乱者たち」でもエズラから仲間たち皆に向けたホロ映像があったが、別でサビーヌ個人宛にもメッセージを残していたことになる。みんな向けの映像を見た時は、エズラからいつも言われていた「頼りにしている」(I’m counting on you.)という言葉の曖昧さにやきもきしていたサビーヌだが、このメッセージを聞いて、ジェダイとしての決意を継いでロザルを守ってほしい、という意味に取ったのかもしれない。

場所は変わって、モーガン・エルズベスらも遺跡を訪れる。モーガンは、ここがかつてダソミアのナイトシスターが建てた聖堂であること、自らがその子孫であることを明かす。地図を奪われたことを知ったモーガンは、シン・ハティにロザルへ行くよう命令する。アソーカの元弟子であるサビーヌを狙っているのだ。
同時にアソーカも星図の解除方法を求めてロザルを訪れる。出迎えるため中心部に来たサビーヌは、ライダーから「皆 揃ったのに」と除幕式に来なかったことを指摘されると「皆じゃない」と答える。エズラ不在で浮かれることはできなかったのであろう。
アソーカとの間には気まずい雰囲気が流れるが、エズラの行方が分かるかもと言われ、星図の解除に取り組み始める。手がかりとなるデータを持ち帰りたいと言い出すが、アソーカに拒否されてしまう。
ヒュイヤンが敵2人のセーバーを己のメモリーバンクと照合したところ、1人はかつてジェダイ・オーダーに所属したベイラン・スコールというジェダイであることが判明。この報告を聞いている間にサビーヌはデータと共に姿を消し、通信塔に戻っていた。そのせいで彼女を追っているシン・ハティに所在を知られてしまう。
サビーヌはついに星図の解除に成功。だが同時にシン・ハティとドロイドに襲われてしまい、エズラのライトセーバーで応戦する。アソーカとヒュイヤンが助けに向かうも間に合わず、サビーヌがシン・ハティに胸を貫かれ、第1話は衝撃の結末を迎えた。
最後に表示される “For our friend, Ray” というのは、ベイラン・スコール役を演じた俳優レイ・スティーブンソンに捧げられた言葉だ。彼は5月21日(現地時間)にイタリアで逝去。映像付きのエンディングは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズではお馴染みだが、『スター・ウォーズ』のドラマでは初となる。

本話ではタイトル通り、アソーカが師匠・弟子に対峙する回となった。師であるアナキン・スカイウォーカー、弟子であったサビーヌの両方の元から立ち去った過去を持つ彼女。ヘラからの「(離れたのには)理由があったはず」というフォローに対して、「正しい理由も誤った結果を招き得る」という重い答えが返ってくる。

ジェダイの在り方を信じられなくなった以上、オーダーを離れるのは正しい決断であった。しかし結果としてアナキンを見捨ててしまう形となり、彼の闇堕ちを止めることはできなかった。今回、元弟子のサビーヌはライトセーバーの訓練不足も相まって敗北し、深手を負ってしまう。
変えられない過去に苛まれながら、アソーカは弟子サビーヌとどう向き合っていくのか。敵方の師弟のベイランとシン・ハティにも注目だ。
「アソーカ」はディズニープラスにて独占配信中。
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