【解説】「アソーカ」サビーヌの部屋に隠された小ネタたち ─ あの人の形見も?

配信中の「スター・ウォーズ:アソーカ」が2023年10月4日にいよいよ最終話の配信を控える中、米公式サイトStarWars.comからサビーヌ・レンの部屋にまつわる細かなイースターエッグを解説する記事が公開された。特にアニメ「反乱者たち」(2014-2018)を視聴した人であれば、グッと来てしまうような様々なアイテムが紹介されている。
この記事には、「スター・ウォーズ:アソーカ」第7話までのネタバレが含まれています。また、アニメ「反乱者たち」の内容にも触れています。

思い出が詰まった大切な箱
「アソーカ」第1話では、エズラ・ブリッジャーがサビーヌのために遺したホログラムが再生された。彼女にとって“きょうだい”のような存在であったエズラからの寂しくも心温まるメッセージである。そんな大切なホロプロジェクターをしまっていた箱の中を覗くと、気丈に振る舞う彼女が見せない“心の柔らかい部分”を垣間見ることができる。
母ウルサ・レンの髪留め
作中では埋もれて一部しか見えていなかったが、箱の中には金色地にシルバーの模様をした長方形の小物があった。これはサビーヌの母ウルサ・レンが身に付けていた髪留めだ。色配置は、ウルサのアーマーのものと一致する。「反乱者たち」シーズン3第16話『マンダロアを継ぐ者たち』で同じ髪留めを見ることができる。
シーズン4第2話のエンディングでは、マンダロリアンたちが結束して銀河帝国に反抗を開始する様が描かれたが、サビーヌはエズラたちと共に反乱軍に戻る選択を取った。一方で母ウルサ、父アルリック、弟トリスタンたちサビーヌの家族は、ボ=カターン・クライズに率いられて、帝国に立ち向かう。
髪留めがアーマーのように先祖代々引き継がれてきたものかは不明だが、恐らくマンダロアを発つ際に、ウルサから受け取ったのであろう。残念ながら「アソーカ」第4話では、家族全員が惑星マンダロアで亡くなったことが明かされている。図らずも、この髪留めが家族を思い出す唯一の形見となってしまったのであろう。
エアブラシ
グラフィティアーティストとしての一面も持つサビーヌ。このエアブラシでゴースト内の壁や惑星ロザルの街中、しまいにはTIEファイターまでカラフルに染め上げた。芸術はサビーヌが持つ情熱の一つのはずだが、本ドラマの作中ではまだ絵を描く姿を見せてくれていない。
サビーヌのアート作品
そんな芸術家のサビーヌは、恐らくロザルに住むようになってすぐ、エズラの素っ気ない部屋の壁をグラフィティで埋め尽くした。惑星ロザルに生息するロズ=キャット、ロズ=ウルフなどおなじみの絵の他にも、様々なクリーチャーのモチーフが確認できる。エズラなら勝手に部屋に絵を描いても許してくれるとでも思ったのだろう。無許可でスペクターズでの冒険の思い出を絵として残したといえば、とてもサビーヌらしい。
トゥーカ人形
入り口近くの壁には、トゥーカの人形を模した絵があった。「反乱者たち」ではシーズン2の第10話で、フォース感応の子供がこの人形を持っていた。その他にも映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)では幼いジンの、アニメ「バッド・バッチ」(2021-)ではオメガのトゥーカ人形が登場しており、子供たちの間で人気なおもちゃのようである。ちなみに、ロズ・キャットはトゥーカという動物の亜種という位置づけ。
パファーピッグ
「反乱者たち」で登場した豚のようなクリーチャー。貴重な鉱物の在りかを嗅ぎ当てられるため価値が高く、シーズン1の第11話ではランド・カルリジアンがヘラと交換でパファーピッグを手に入れている。
スターバード
伝説のフェニックスを元にサビーヌが考案したデザイン。「反乱者たち」の作中では、サビーヌが至る所にスターバードをスプレーで描いている。このデザインは後に反乱同盟軍、そして新共和国のシンボルマークの元型として採用されている。第6話では、スターバードと新共和国のシンボルがサビーヌをエズラの元に導いた。
コンヴォア
銀河に広く生息するフクロウのような鳥。パーギルに取って代わられる前は、サビーヌの左肩甲にも同じコンヴォアのシンボルが描かれていた。またモライと呼ばれるコンヴォアには、アニメ「クローン・ウォーズ」シーズン3で登場した強力なフォースの使い手“ザ・ワンズ”のドーターと深い繋がりがあるとされている。「反乱者たち」でも惑星アトロンや惑星マラコア、さらには“はざまの世界”など、アソーカの訪れる場所で度々姿を見せてきた。最終話でも登場があるか注目したい。
その他にもアイテムいろいろ
ヘルメット
ベッドの足下近くには、オレンジと黄色で塗られたスカウトトルーパーのヘルメットがある。エズラは帝国兵士のヘルメットを集める趣味があったが、そのうちの一つをサビーヌがカラフルに染め上げたものだ。「反乱者たち」シーズン4第1話などで、このオレンジ色のヘルメットをかぶって戦うエズラを見ることができる。彼の服色にのっぺりせずにマッチしており、さすがの配色センスが光る。
ゴーストの椅子
これについてはかなり細かいイースターエッグであるが、エズラのヘルメットコレクションの山の近くにある椅子のペイントが、サビーヌお気に入りであったゴースト内の椅子に似せられているという。その椅子とは、ゴーストのコックピット内、入り口から見て右側の2列目に位置する黒地にオレンジ色の3本線が通った椅子だ。
サビーヌの部屋にある椅子も黒地に赤色の3本線が通っている。大きな違いは上部に紫色のペイントがあるかどうかくらいだ。“家”にある自分の居場所を再現していると考えると、サビーヌがよりかわいく思えてくる。
ただ「サビーヌにお気に入りの椅子なんてあっただろうか…」と確証を持てず、疑心暗鬼で「反乱者たち」を見直したところ、なるほどスペクターズが揃ってコックピットにいる時はだいたいサビーヌが右後方(画面上では左後方)に陣取っていた。さらにシーズン3第12話の冒頭では、遠慮なしにこの席に座ったエズラの頭をサビーヌが引っぱたく様子も見ることができる。
「アソーカ」の第4話でゴースト船内が実写化されており、ヘラとジェイセンがコックピットに乗り込んだ際には、“お気に入りの席”がデザインそのままで存在していることも確認できた。
StarWars.comの記事最後には、スペシャルサンクスとして「アソーカ」の製作・脚本を担当しているデイヴ・フィローニ、ルーカスフィルム社ストーリーグループのパブロ・ヒダルゴの名前が挙げられている。彼らが細部までこだわった本作。何度見返しても、その度に新たな発見や見方ができそうだ。最終話も楽しみに待とう。
「アソーカ」はディズニープラスにて独占配信中。
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