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『アラジン』主演メナ・マスード、大ヒット後も「オーディションひとつ受けられていない」 ─ キャリア不遇明かす「せめてチャンスを」

アラジン
DISNEY/PLANET PHOTOS 写真:ゼータ イメージ

ディズニーの名作アニメを実写映画化したアラジンは、まぎれもなく2019年を代表する映画の一本だ。よく知られた物語に現代的テーマを織り交ぜて再構築したストーリー、ガイ・リッチー監督による躍動的な演出、おなじみの名曲に新たな解釈を加えた劇中歌。本作は世界的大ヒットとなり、累計興収は10億ドルを突破している。

ところが主人公アラジンを演じたメナ・マスードは、ある意味では、その恩恵に未だあずかることができていないようだ。米Daily Beastのインタビューで、メナは「黙っていることに疲れました。『アラジン』のような作品に出れば、必ずしも幸せに成功できるわけではないと知ってほしい」と告白。取材したケヴィン・ファロン記者は、メナが泣き言や不平、恩知らずな発言に及んだのではないと強調している。

「“彼は大金を稼いだ、たくさんオファーが入ってきているに違いない”、そんなことはまったくありません。『アラジン』が公開されてから、ひとつもオーディションを受けられていないんです。多くの人にとっては信じられないと思います。皆さん、それぞれに思うことがあるでしょうから。だけど僕としては、“オーケー、『アラジン』は10億ドルですよ。せめてオーディションを受けさせてもらえませんか”という感じ。“バットマン役はどうですか?”みたいなことを望んでいるのではありません。だけど(オーディションの)部屋に入れてもらえませんか、チャンスをいただけませんか、ということなんです。」

メナはエジプトで生まれ、3歳でカナダに移住。白人俳優がいまだ大多数のハリウッドでは役柄を獲得することに苦労しながらも、テロリスト役をはじめ、人種・肌の色がネガティブに作用しない役柄を射止めることを目標に活動してきたという。それゆえアラジン役を射止めた時、メナは「ようやく機会に恵まれました」と喜びを語っていたのだ。

実際のところ、『アラジン』への出演と大ヒットは、公開当時のメナに期待を抱かせるには十分だったようだ。しかし今、メナは「『アラジン』が公開されたことや、自分のキャリアはどうなるのだろうという期待を、僕はしっかり撤回しなければいけませんでした」と述べている。

「『アラジン』の時には、“『アラジン』が公開されましたが、今後のキャリアについてどう考えていますか”という質問を受けました。その後、特に大きな出来事に巡り会えていないのが現実なんです。僕のことを見つけてもらえるのか、これからどうなるのか、まったく分からない。どうすればうまくいくのかをお話しすることなんてできません。」

メナの次回作は、米Huluにて配信される復讐スリラードラマ「Reprisal(原題)」。アビゲイル・スペンサー演じる主人公を監視する若いギャング役を演じるが、この作品は『アラジン』の公開前に撮影されたもの。キャスティングされた当時、自分がアラジンを演じることをドラマのプロデューサーはまったく知らなかったといい、その事実を知らされると困惑していたそうだ。

『アラジン』以降、メナがオーディションさえ受けられていない事実は、ハリウッドにおいて、有色人種の俳優はいまだ仕事を得る機会が非常に限られていることを示唆している。もっともメナ自身は、現状について「僕は若い役者だから、今後もまだまだ見つけてもらえなかったり、過小評価されたりするのだろうと思っています」と述べ、あくまで年齢面の問題というコメントを発している。「この10年間、僕は注目株としてやってきましたが、『アラジン』で僕を初めて見た方は多いと思います。そして、今後もそういうふうに見られるんでしょう。少しずつそうじゃなくなるような仕事をしていかなければいけませんね」。

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Source: Daily Beast

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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