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『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック、『007』悪役の設定に変更求めていた ─ 「まったく違うテロリストになりました」

BOND 25(仮題)
Erik Tanner/Getty Images

『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)のフレディ・マーキュリー役でアカデミー賞主演男優賞を射止めた俳優ラミ・マレックは、一躍時の人となり、次なる出演作品として驚きの決断をみせた。ダニエル・クレイグ主演、人気のスパイ映画シリーズ『007』の最新作『BOND 25(仮題)』で悪役を演じるのだ。

2019年7月時点で、本作のプロットはほとんど伏せられており、ボンドの挑むミッションなど、物語の詳細は明かされていない。ただし英The Mirrorの取材にて、ラミは悪役に関するヒントを少しだけ語ってくれている。出演を引き受ける上で、ラミは役柄の設定にとある要求をしていたというのだ。

「ひとつだけ、キャリー(・フクナガ監督)と話し合ったことがありました。(悪役の行動を)思想・信条や宗教を反映したテロ行為だと考えることはできません、それは僕には受け入れられない、ということです。それを理由に求めてくださっているなら、僕のことは(候補から)外してもらっても構いません、と。だけど、その設定は彼のやりたいことではなかった。だから、まったく違う種類のテロリストになりました。」

ボヘミアン・ラプソディ
©THE RIVER

ラミはエジプト系アメリカ人であり、そのルーツやエジプト由来の文化を「僕自身を形づくるもの」として考えているという。現代のアクション映画において、思想や信教に基づいてテロ行為に及ぶ人物が登場し、そこに中東系の俳優が起用されることは、もはや現代性ではなく一種のステレオタイプとすらいえる。少なくとも、ラミが自らのルーツに抱いている思いとは相容れないものだったのだろう。

こうした要求を経て完成した脚本について、ラミは「非常にクレバーな脚本」だと述べ、脚本家チームに対しても「こうした類の映画に観客が求めるものをきちんと理解している方々です」と賛辞を送っている。もちろん、自分の演じるテロリストについても「素晴らしいキャラクターで、すごく楽しみです」と語っているのだ。どうやらテロリストであることは間違いなさそうだが、なぜ彼はテロ行為に及び、なぜジェームズ・ボンドと対峙するのだろう?

ちなみに、ラミは『007』シリーズへの参加について「大きなプレッシャーも感じています」と漏らしている。「ボンド映画って、僕たちみんなが親しんでいるものですからね」。

映画『BOND 25(仮題)』は2020年 日本公開予定。

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Source: The Mirror

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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