銃誤射事故のアレック・ボールドウィン、「私のせいではない」「引き金は引いていない」と事故後初のメディア出演で説明

アレック・ボールドウィンの主演映画『ラスト(原題:Rust)』の撮影現場にて小道具の銃が誤射、撮影監督のハリーナ・ハッチンスが被弾し死去した事故について、アレック・ボールドウィンが事故後初のメディア出演。米ABCの独占インタビューにて、事故の詳細を語った。放送前に公開された予告編でも、ボールドウィンが涙を拭いながら話す姿が映し出されている。
聞き手は、クリントン政権時に広報担当大統領補佐官も務めた現ABCワシントン支局長ジョージ・ステファノプロス。
インタビューは、米ABC NewsのYouTubeでも公開されている。
「起こってしまったことは、誰かの責任です。そして、それが誰であるかは、私からは言えません。ただ、私ではないのです」。
このインタビューでボールドウィンは、銃口の向きを指示したのは被弾して亡くなったハッチンス自身だったとし、「全て彼女の指示通りだった」と話している。「私は、彼女に言われた通りに銃を構えていました。それが彼女の脇の下に向けられていたということです。」
ボールドウィン自身は引き金を引いておらず、「撃鉄から指を離したら発射された」と説明。発射の直前、ボールドウィンとハッチンスは、撃鉄を起こす動きの確認を行なっていた。撃鉄と指の動きがカメラに入るよう少しずつ角度を変えて繰り返す中で、指を離した瞬間に発射されたという。「引き金を引くというのは、脚本にはなかったそうですが」と確認されると、ボールドウィンは「引き金は引かれていません。私は引き金を引いていません」と補足している。
「銃は空であるはずでした。私は、空の銃を持たされると聞いていました」とボールドウィン。被弾したハッチンスが倒れた直後、まさか実弾が入っていたとは思いもしなかったボールドウィンは、「気絶をしたのだろうか」と考えていたという。撮影用の銃は時々、綿が詰まった空弾が飛び出して人に当たることがあるためだ。あるいは、彼女は心臓発作を起こしたのだろうかとボールドウィンは考えた。
倒れたハッチンスの元に駆け寄ったボールドウィンは60秒ほど側にいたというが、すぐに医療班がやってきて、ボールドウィンは建物から追い出されたという。「もしかして実弾が入っていたのかということに考えが及んだのは、それから45分か1時間経ってからのことでした」。
インタビューの最後に、ボールドウィンは「一つだけ、明らかにするべき疑問があります。一つだけです」と投げかけている。「あの実弾は、一体どこから来たのでしょうか?」
映画『ラスト』はアレック・ボールドウィン&ジェンセン・アクレスらが出演するアクション西部劇映画で、ボールドウィン演じる悪名高きアウトローと、殺人容疑で絞首刑を言い渡された孫の絆を描く物語だった。事故を受け、製作は無期限の停止とされている。
捜査は現在も継続中。ボールドウィンがこの度のインタビューに応じたのは、事故にまつわる「誤解」を解くことを、数週間または数ヶ月先の捜査終了まで待つことができなかったためという。