『トイ・ストーリー』バズ声優、『バズ・ライトイヤー』に複雑なレビュー ─ 「もっとつながりがあれば良かった」

ディズニー&ピクサー『トイ・ストーリー』シリーズでお馴染み、スペース・レンジャーのバズ・ライトイヤーの知られざる物語を描く『バズ・ライトイヤー』が日本で公開になった。
知られざる物語、と言っても、事情は少し特殊だ。本作は、『トイ・ストーリー』のアンディ少年が夢中になった映画であり、我々が知るバズのオモチャは、この映画の関連商品だった、という構造。いわば劇中劇のようなものだ。
そのため、バズの顔つきも『トイ・ストーリー』のカートゥーン調のデザインとは少し異なるリアル調。特に大きな変化が声優だ。日本語吹替版でも、本作のバズは所ジョージではなく鈴木亮平が担当。本国版では、ティム・アレンからクリス・エヴァンスへ交代されている。
映画では冒頭に、アンディが1995年にバズのオモチャをもらったことと、これはアンディが当時夢中になった映画だ、というテロップが表示されるのみで、映画『トイ・ストーリー』に直接繋げられるような描写はない。あくまで、スペース・レンジャーのバズが活躍するSF作品として終始する。
オリジナル版声優のティム・アレンは、そこに寂しさを感じている。「短く答えるのなら、今回は私には関係ない。これは全く新しいチームによるもので、最初の映画とは何も関係がないんです」と、米Varietyに心境を打ち明けている。
『バズ・ライトイヤー』は、危険な惑星に不時着したスペース・レンジャーのバズが、仲間たちと協力しながら脱出ミッションに挑むという内容。シリーズでお馴染みの宿敵ザーグのほか、これまで語られなかったキャラクターたちも登場する。
アレンは本作について「素晴らしい物語」と評価しながら「でも、あのオモチャとは何の関係もないみたいですね。ちょっと……どうだろう」と落胆するようなコメントを続けている。「バズに関係ないものだからね。つながりがない。もっとつながりがあれば、良かったんだけども」。
海外の先行レビューでは、単に「SF超大作」として評価される声も目立った。『トイ・ストーリー』関連作と期待して鑑賞すると評価も分かれそうな内容だから、一つのSF映画として新鮮な気持ちで楽しむのが良さそうだ。
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