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『アンビュランス』エイザ・ゴンザレス、怯えながらも全力で挑んだ撮影【単独インタビュー】

『トランスフォーマー』シリーズなどで知られるハリウッドの破壊王、マイケル・ベイ監督の新作『アンビュランス』が、2022年3月25日より日本公開となった。

舞台はロサンゼルス。家族のため金が必要になった元軍人のウィル(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世)が、義理兄弟でカリスマ犯罪者のダニー(ジェイク・ギレンホール)を頼ったところ、そのまま銀行強盗に参加させらることになってしまう。覚悟を決めて挑んだ強盗は計画通りにはいかず、警察に追われる事態に。窮地に陥った2人が逃走用に乗り込んだのはなんと救急車。しかもそこにはウィルに撃たれてしまった瀕死の警官がいた。

絶対に誰も死なせたくないウィルと、絶対に金を持ち帰りたいダニー。そして、巻き込まれた救命士キャム(エイザ・ゴンザレス)。重症人を乗せた救急車は、ロサンゼルス中を猛スピードで大爆走。豪快に吹っ飛ぶ車、ド派手な爆炎……後を追う警察はパトカーのみならずヘリまで出動。絶体絶命の快作ノンストップ・アクションだ。

THE RIVERでは、大事件に巻き込まれていく救急救命士キャム役を体当たりで演じたエイザ・ゴンザレスに単独インタビュー。『ベイビー・ドライバー』(2017)で注目を集め、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)や『ゴジラvsコング』(2021)といったアクション超大作や、『パーフェクト・ケア』(2020)などでも活躍。Instagramではフォロワー約750万人(記事時点)を誇る、今最も勢いのある女優・モデルだ。

『アンビュランス』キャム役エイザ・ゴンザレス 単独インタビュー

──本作、とてもよかったです!あなたもすごく素敵でした。

ありがとう!

──あなたが演じたのはキャムというタフな救急救命士で、人の命を日々救っています。役作りでは、実際の救命措置も学んだのですか?

そうです。これまでの経験の中でも、最も美しいプロセスでした。当時はコロナ禍のピークで、アメリカでは最悪の事態を迎えていました。とても特殊な体験でした。世間は不安定で恐れもありましたが、医療の現場では救急救命士が命を懸けていました。毎日毎日ギリギリの状況で市民を救っていたんです。すごくパワフルだと思います。なので本作の脚本をいただいた時は、素晴らしい贈り物だと思いました。救急救命士について学ぶのにうってつけの機会でしたね。

撮影現場でも、実際の救命士の方と毎日のようにご一緒して、キャム役にたくさんのことを活かしました。撮影の4ヶ月前には実際の救急車にも乗って、看護師や救命士、医師の方とお話ししました。そこでの学びのおかげで、現場でも自然と救命士になることができたんです。

キャム役では、ただ救命士になるだけではなく、最高の救命士になる必要がありました。救命士に敬意を払って正しく演じるのはチャレンジングでしたし、プレッシャーもありました。

アンビュランス
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

──本作はマイケル・ベイ映画ですので、大規模な爆破シーンもあります。映画を観て圧倒されました。爆破シーンを現場で体感していかがでしたか?それとも、完成版を観てそのスケールに気付かされるといった感じでしたか?

それが面白いことに、撮影は実験的な学生映画のような雰囲気だったんです。ずっと救急車の中にいましたからね。もっと大予算の映画だったんだと実感できたのは、最後の数シーンに入ってから。それまでは、インディペンデント映画のような感覚でした。人間関係や、様々な個性から成る空間でのダイナミズムが注目点になっています。これまでとは違う経験になりました。 

本作は、全く異なる二つのマイケル・ベイ節が効いています。一つは90年代のマイケル・ベイ。当時の彼は、今のように大予算を持っていなかったので、使えるものは全て利用されていました。本作でも、(コロナ禍という)情勢を鑑みて、あらゆる撮影の方法を模索されています。

それから、ストーリーがとてもエモーショナルでリアルということです。心と心で向き合っている感じがしました。救急救命士や元軍人、そういった仕事にいかに翻弄され、その結果どうなってしまうのか、ということです。とてもユニークな経験で、素晴らしかったです。

アンビュランス
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

──映画の中ではとんでもないことが起こって、彼女はその巻き添えになっていきます。そうした出来事を通じて、キャムは感情的にどのような変化を辿りますか?

すごくワイルドですよ。こうした役のためには入念に準備をしますし、私もしっかり準備をした自信があります。でも、マイケル流の実践的な現場に入って、いざ本物の救急車が走り始めると、すっかり怖気ついちゃって。もう演技どころじゃなくて、頭の中は無事に生き延びることだけ。LAの川で車を猛スピードで走らせるなんて慣れていないですし。

そのおかげで、キャラクターの弱い部分が出せたと思います。私自身が弱っていましたからね。それがマイケル流の、実践的なやり方なんです。ごまかしや作り物ではないニュアンスが出せる。まるでその中に入り込んだような、劇場的な感覚です。脚本上の描写や、私の想像とは全然違いました。

アンビュランス
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

撮影では私自身ビビっていましたが、シーンのために力を振り絞りました。だから演技には様々な要素が混じっています。もしも舞台上とか動かない車両の中だったら、あの演技はできなかったと思う。すごくユニークで、素晴らしい経験でした。チャレンジングでしたが、とても楽しかったです。

──ありがとうございました。本当に本作でのあなたは素晴らしかったですよ。

ありがとうございます!嬉しいです。

アンビュランス
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

映画『アンビュランス』は公開中。

マイケル・ベイ監督へのパワフルインタビュー

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。