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リブート版『アナコンダ』レビュー ─ 馬鹿馬鹿しいほど明るくて胸アツ、プロすぎる爆笑コメディ

https://www.youtube.com/watch?v=az8M5Mai0X4

ジャック・ブラックとポール・ラッドが主演を務める『アナコンダ(原題)』が、北米で2025年12月26日に劇場公開を迎えた。本作は、1997年に公開されたジェニファー・ロペス主演の『アナコンダ』をこよなく愛する中年の仲間たちが、「自分たちで“アナコンダ映画”を作ろう」と思い立ち、低予算で映画制作に挑む物語だ。

近年、『ラストサマー:リターンズ』(2025)などの過去作のリブートや『ファイナル・デッドブラッド』(2025)のように数十年ぶりの続編が次々と制作される中で、本作は“セルフパロディ”的なアプローチを取った、少し風変わりな一本となっている。

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ジャック・ブラックが演じるダグは、若い頃に抱いていた映画監督の夢を諦め、現在は結婚式のビデオグラファーとして生計を立てている人物。特にホラー映画を愛しており、新郎新婦との打ち合わせの場でもついつい熱くなってしまう、根っからの映画オタクだ。一方、ポール・ラッド演じる俳優グリフも、テレビシリーズで端役に出演するものの、ハリウッドで成功する夢からは遠ざかりつつある現実に直面している。

グリフはダグのサプライズ誕生日パーティーに出席するため地元バッファローへ戻り、幼なじみのクレアとケニーとも再会。子ども時代に撮った映画のVHSをプレゼントする。さらに翌日、かつて大好きだった『アナコンダ』の権利を獲得したというビッグニュースを持ち出し、「この仲間でリメイクを作らないか」と提案する。ロサンゼルスで成功できずにいるグリフ、会社を解雇されたばかりのケニー、離婚したばかりのクレア、そして夢を諦めていたダグ。全員がこの話に乗っかり、三週間の撮影のためブラジル・アマゾンへと向かうことになる。

現地で一行は、撮影用の蛇を手配してくれたサンティアゴと、アナという謎めいた女性に出会う。アナもクルーとしてボートに乗り込むが、この出会いがやがて彼らの運命を大きく変えていく。アマチュアながらも撮影は順調に進み、メンバーは映画作りそのものを楽しんでいく。しかし蛇のシーンの撮影中、怯えたグリフが誤って蛇を殺してしまう。ショックを受けたサンティアゴは、別の蛇を探しに行こうと提案。夜のアマゾンで二人は、狂暴なアナコンダと遭遇してしまう。

アナコンダの暴れっぷりは大迫力で、スリル満点。しかし物語を本当に引き立てているのは、ダグとグリフを中心とした“友情”の描写だ。かつて同じ夢を追っていた二人が、中年になり、夢を諦めかけた状態で再びカメラを手に取り、仲間とともに低予算映画制作に挑む。ダグのアイデアにグリフが「白人版ジョーダン・ピールだ」と大絶賛。互いを持ち上げ合い、仲間ともアイデアを出し合いながら撮影を進めていく場面は、馬鹿馬鹿しいほど明るく、そしてどこか胸が熱くなる。

ジャック・ブラックとポール・ラッドはどちらも強烈な個性を持つコメディ俳優だが、本作では互いの魅力を殺さず、絶妙なバランスで掛け合いを成立させているのが印象的。微妙な表情や仕草だけで観客を笑わす“プロ”の二人の演技は見もの。トロントの劇場では客席から何度も笑い声が上がっていた。

主演の二人に加え、キャストには『ウエストワールド』(2016~2022)のタンディ・ニュートン、『リアリティ・バイツ』(1994)のスティーヴ・ザーン、そしてブラジル映画賞シーズンで注目を集めている『アイム・スティル・ヒア』(2024)のセルトン・メロが名を連ねる。メロは本作で英語圏映画デビューを果たす。監督は、ニコラス・ケイジ主演のアクションコメディ『マッシブ・タレント』(2022)のトム・ゴーミカンで、彼は、脚本にも参加している。

1月10日時点で国内興行収入5,040万ドル、海外興行収入5,120万ドルを合わせ、全世界興行収入は1億160万ドルに達した。これにより『アナコンダ2』(2004年)を超えた作品となり、1997年のオリジナル作品以来、『アナコンダ』シリーズで初めて1億ドルの興行収を達成した作品となった。新作『アナコンダ』が全世界で1億ドルを突破したことを受け、このシリーズが再び続編へと動き出す可能性もありそう。

米Rotten Tomatoesでは批評家スコアが51%と評価は割れ、「内容がごちゃごちゃしている」という指摘がある一方で、「笑いが盛りだくさん」という声も多い。観客スコアは76%(現地時間1月10日時点)を記録しており、本作が“完成度の高さ”よりも“とにかく笑えること”を求める観客に強く支持されているようだ。

『アナコンダ』の日本公開は今のところ未定。

Source:Deadline

Writer

Ayaka SaitoAyaka Saito

カナダ・トロント在住の映画レポーター/コラムニスト。北米で感じ取れる「ポップカルチャーへの熱」をお届けします。好きなジャンル:ホラー、好きなヒーロー:DCブルービートル。

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