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『アクアマン』海外レビューで大絶賛の声続々 ― 「『ブラックパンサー』に並ぶ」「『ダークナイト』以来最高のDC映画」

ジャスティス・リーグ
© JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.

米ワーナー・ブラザース&DCコミックス製作、映画『アクアマン』の最速レビューが海外から到着した。『ジャスティス・リーグ』(2017)以来のDC映画ユニバース作品となる本作にはすでに絶賛の声が多数聞かれており、2018年12月21日の米国公開を前にして大きな盛り上がりとなっている。

本作で主人公アーサー・カリー/アクアマンを演じたのは『ジャスティス・リーグ』に続いてジェイソン・モモア。監督は『ソウ』『死霊館』シリーズや『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)のジェームズ・ワンが務めた。正統派の海洋冒険活劇を目指すとされた本作は、一体どのような仕上がりとなったのか。もちろんネタバレなしで、現地からの感想をご紹介していくことにしよう。

『アクアマン』海外レビューで絶賛の嵐

ド直球、正統派の海洋冒険映画として

まず『アクアマン』の感想で特筆すべきは、ヒーロー映画のオリジンとしての完成度を評価する声のほか、製作チームによる“正統派の海洋冒険活劇”という意図が高い次元で達成されていることを証明する感想が多数みられることだろう。

エリック・アイゼンバーグ氏(Cinema Blend)

「いかに私が『アクアマン』を楽しんだのか、お伝えできるのがうれしいです! クールなアドベンチャー映画が、とてつもないアクションシーンと見せ場の数々、素晴らしいヒーローの物語と、それらを繋ぎとめるジェイソン・モモアの演技の上に成り立っています。世界の設計は楽しく、見た目にもすばらしい。DC映画ユニバースの大いなる一歩です。」

ショーン・ガーバー氏(Superhero News)

「海で展開する壮大なファンタジー・アドベンチャー! かつてスーパーヒーロー映画で、むしろどこでも見たことのない魅力的な水中の世界にスリリングなアクションがいっぱいです。観ていて本当に楽しい映画でしたし、みなさんにとってもそうだと思います。できるだけ大きいスクリーンで観てください!」

また、本作について『ロード・オブ・ザ・リング』と『インディ・ジョーンズ』を融合させた作風だと語ったのは、The Wrapのウンバート・ゴンザレス氏だ。

ウンバート・ゴンザレス氏(The Wrap)

「『アクアマン』は最高だったし、とてもよくできていた! ジェイソン・モモアはアトランティスの王であるだけでなく、DC映画ユニバースの新たな王冠を手にしていている! もう一度観るのが楽しみ!」

また映像の中で、ウンバート氏は本作を「『ワンダーウーマン』(2017)以上、DC映画ユニバース史上最高の映画」「『ブラックパンサー』(2018)と並んで今年最高のヒーロー映画」だと絶賛。出演者にも賞賛を送っており、なかでもニコール・キッドマンには「すべてのシーンが最高だった、こういうアクション映画にもっと出るべき」とコメントした。

過去の名作と比較して

もちろん、『アクアマン』を観て名作映画などを思い起こした人々はたくさんいるようだ。いささか意外な参照例もあるが、これは『アクアマン』の世界観がいかにきちんと作り込まれているかを証明する材料ともいえるだろう。

アンドリュー・ダイス氏(Screen Rant)

「息をのむほど美しく、奇妙で、カッコいい。現代のスーパーヒーロー・ファンタジー(アニメ)の楽しさがある、思い切った作品です。後半は歓声と笑いが次々にやってくる。小島秀夫(編注:ゲームクリエイター)が作った『アバター』に、1980年代の(アーノルド・)シュワルツェネッガーが主演しているのを想像してください。ほとんどそんな世界が広がっています。」

マイク・セシーニ氏(Den Of Geek US)

「『アクアマン』はとても激しい映画。スーパーヒーローの要素よりも、むしろ80年代のファンタジー映画、冒険映画の雰囲気に傾倒していて、それが成功しているんです。DC映画ユニバースにとっては正しい方向への新たな一歩であり、それぞれの映画が共存しながら、いかに独特の、明確な作風を示せるかという証明になりました。
ジェームズ・ワンと製作チームは非常に配慮しながらユニバースにこの世界を設計しています。[中略]私は『マン・オブ・スティール』(2013)や『ワンダーウーマン』の世界づくりが大好きで、それは『アクアマン』でも継続されています。欠点もありますが、ほかのヒーロー映画とは明らかに異なる雰囲気の作品です。」

DC映画の新たな革命

すでに紹介した感想でも指摘されているように、『アクアマン』はDC映画ユニバースの一本であり、どうしても過去に作られたDC映画作品やヒーロー映画と比較されることを免れない。しかしながら本作を手がけたジェームズ・ワン監督は、そうした側面を引き受けつつ、自身の作家性を活かしながら新たな可能性を切り拓くことに成功したようだ。

Digital Spy 公式アカウント

「DC映画のネガティブな流れに立ち向かい、『アクアマン』はとても楽しく、見事なショットのたくさんある映画です。欠点がないわけではありませんが、ジェイソン・モモアはカリスマ性のある主人公ですし、ジェームズ・ワンらしさを非常に強く感じられる映画でした。」

トム・ジョージェンセン氏(IGN)

『ダークナイト』(2008)以来、最高のDC映画。ジェームズ・ワンは、豊かなエモーションと美しい水中のビジュアル、エキサイティングなアクション、たくさんの笑いが詰まった壮大な冒険活劇を成功させました。ワーナー・ブラザースはDC映画ユニバースの指揮権をジェームズ・ワンに渡すべき。つまり、彼は船を正しい位置に戻せることを証明したわけだから。」

ベン・メクラー氏(ライター)

『アクアマン』にはDCファンの望んできたもののすべて、そしてそれ以上があります。陽気なアクション、世界を作り上げる見事なセンス、魅力的なミュージカル・ナンバー、ジェイソン・モモアによる主演俳優としての演技。DCはしかるべき場所へと戻ってきた。DC映画ユニバースは生きている!
ジェームズ・ワンはかつてスクリーンで見たことのない世界を組み立てたのです。まさしく水中のスター・ウォーズで、明らかな歴史の感覚もあれば、クリーチャーのデザインも実に素晴らしい。」

「DC史上最高のマーベル映画」?

実は『アクアマン』については、すでにオンラインにて物議を呼んでいる感想がある。それは、本作が「DC史上最高のマーベル映画」だとするものだ。マーベル映画との比較もヒーロー映画である以上は必然的だが、そのたとえは一体どういう意図なのか。同じくマーベル・シネマティック・ユニバースと比較する声とあわせてご紹介しておきたい。

ポール・シャイリー氏(Joblo.com)

「手短かつ潔い感想は“大好き”。最高のアクションと印象的な場面、視覚的なスペクタクルによる徹底されたコミック映画でした。モモアは役柄を自分のものにしており、ワンは歴史的な側面に敬意を払いながら現代的に仕上げている。すごく良かった!
こう書くと批判を受けることになるでしょうが、『アクアマン』はDCが作った史上最高のマーベル映画です。マーベルの方法を真似ているという意味ではなく、何が大切な映画なのか、何を売りにしている映画なのか、誰にアピールしている映画なのかを理解しているように思いました。アイデンティティの危機はまったくありません。」

ピーター・シレッタ氏(/Film)

「予想以上によかった。良い意味でマーベル(・シネマティック・ユニバース)のフェーズ1のよう。楽しく、シリアスになりすぎないのがすごくいい。ブラックマンタは素晴らしいヴィランで、コミックファンは大好きになるでしょう。目を見張るショット、良いアクションシーンもあります。第三幕の戦闘は典型的なコミック映画の罠にも陥っていないし、驚くほど野心的です。[後略]」

「まぎれもなく唯一無二のオリジン・ムービー」

本記事では、最後に米ComicBook.comのブランドン・デイヴィス氏による感想をご紹介しておきたい。長年ヒーロー映画を追いかけてきた同氏の冷静な感想は、きっと本作の特徴をうまく捉えてくれているはずだ。

ブランドン・デイヴィス氏(ComicBook.com)

「『アクアマン』はすばらしい。まぎれもなく唯一無二の、スーパーヒーローのオリジン・ムービーをジェームズ・ワンは生み出した。壮大なファンタジーの領域へと時折踏み込むものの、“家族”と“発見”に根ざした作品です。作品世界は視覚的に見事で、アーサー・カリー役のジェイソン・モモアは全編カッコいい。ヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世(ブラックマンタ役)とパトリック・ウィルソン(オーシャンマスター)が突出している!
少し長く感じるところもありましたが、それは独自に作り上げられた世界を紐解くことに大きく関わっているもの。派手で、壮大で、ユニークかつスタイリッシュなアクションシーンが、説明過剰な部分とのバランスを取っています。映画はまだ公開されていませんが、ワン監督やモモア、共演者をもっと観たいと思います。」

映画『アクアマン』は2019年2月8日(金)全国ロードショー。日本公開まではもう少し時間を要するが、今から期待をめいっぱい膨らませておくことにしよう…!

『アクアマン』公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/aquaman/

※ヘッダー画像は映画『ジャスティス・リーグ』(2017、Blu-ray&DVD発売中)より

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。