『アクアマン』続編映画、現在わかっていること ─ タイトル・出演者・スタッフなど

DC映画『アクアマン』(2018)は、ワーナー・ブラザース/DCコミックスによる映画戦略のゲームチェンジャーとなった。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)『ジャスティス・リーグ』(2017)頃から方針転換を図っていたDC映画ユニバースは、『ワンダーウーマン』(2017)や本作の大ヒットを契機に、映画同士のクロスオーバーではなく、単独映画を丹念に作り上げていく方針に舵を切ったのである。
『アクアマン』が2018年12月に米国で封切られてから4年後の2022年12月、再びこの革命児が大スクリーンに帰ってくる。ここでは、来たる続編映画について現在わかっていることを整理しておきたい。
『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム』
『アクアマン』続編のタイトルは、2021年6月に明かされたところによると、『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題:Aquaman and the Lost Kingdom)』。前作に続き、『ソウ』『死霊館』シリーズや『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)のジェームズ・ワンが監督を務める。
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副題の「ザ・ロスト・キングダム」とは「失われた王国」との意だが、現時点でストーリーの詳細は不明。ただし、ワンとともに続投する脚本家のデヴィッド・レスリー・ジョンソンは、「特定のコミックを脚色することはしない」と、あくまでも映画独自のストーリーになることを強調している。
出演者にはアクアマン/アーサー・カリー役のジェイソン・モモアをはじめ、メラ役のアンバー・ハード、ネレウス王役のドルフ・ラングレン、オーム/オーシャンマスター役のパトリック・ウィルソン、ブラックマンタ役のヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世らが続投する。新キャストには、「ゲーム・オブ・スローンズ」や『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)のピルウ・アスベックが出演交渉中と報じられているが、役どころはわかっていない。
コミック映画の場合、作品ごとにヴィランが入れ替わるのが一般的だが、『アクアマン』ではオーシャンマスター&ブラックマンタが継続して登場するのが特色のひとつとなりそうだ。ただし、本作でメインヴィランの役目を担うのはブラックマンタとなる見込み。演じるヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世も、前作を経て、ドラマ「ウォッチメン」(2019)や『シカゴ7裁判』(2020)、さらには『マトリックス4(仮題)』(2021)などの話題作に出演しているだけに、役者としての厚みをさらに増してのカムバックに期待したい。
気になる作品のテイストについて、以前ワン監督は「少しシリアスになります。現在の世界に少し関係するようなものに」と述べ、同時代性を重視していることを認めていた。また、脚本のジョンソンは「物語の雰囲気を知りたいのなら、ブラックマンタが登場するシルバーエイジのコミックを手に取ってみて」とコメントしている。ちなみに前作にもうかがえた、監督のルーツであるホラーテイストも「ちょっとだけ入る」とのこと。本人いわく、「舞台となる水中の世界では怖いことも起こる」。
なお、撮影は2021年6月28日にイギリス・ロンドンで開始されたばかり。カチンコにある「Necrus(ネクラス)」は作品のワーキングタイトル(内部用タイトル)だが、原作コミックでは『アクアマン』の舞台である海底王国アトランティスと同じく、海底に築かれた都市として知られる。モンゴという専制君主によって治められている、海底の一箇所に居付くことがない謎に満ちた移動都市だ。別名“Black City”とも呼ばれる。
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ちなみに『アクアマン』の続編に先がけては、本来、前作に登場した海洋種族・トレンチを描くスピンオフ映画『ザ・トレンチ(原題:The Trench)』が計画されていた。こちらはワン監督がプロデューサーを務める“モンスター・ホラー映画”になる予定だったが、残念ながら製作は断念されている。
映画『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題:Aquaman and the Lost Kingdom)』は2022年12月16日に米国公開予定。
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