Menu
(0)

Search

【解説】『ARGYLLE/アーガイル』ビートルズ最後の新曲『Now and Then』の意味と起用の背景を知ると味わい深くなる

ARGYLLE/アーガイル
© Universal Pictures

筋金入りのビートルズ・マニアであるマシュー・ヴォーン監督、実は『Now and Then』の一般リリース前から、水面下でビートルズと共に準備を進めていたのだという。最初にヴォーン監督に話題を持ちかけたのは、ビートルズの伝説的なマネージャーであるジョージ・マーティンの息子にして音楽プロデューサーのジャイルズ・マーティンだ。

監督は映画公開時から「1年半以上前」にジャイルズと話をしたと明かしているので、遅くとも2022年の夏頃から楽曲に取り掛かっていたと見られる。当時、監督は『ARGYLLE/アーガイル』に使用する「哀しいが、希望を感じさせるような」ラブソングが見つからず苦労していた。そこにジャイルズが「ビートルズの新曲を聴いてみますか」と持ちかけたのだそう。

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

「ジャイルズはユーモアのセンスがある方なので、“はぁ、いいですよ”と」、監督はまさか新曲などが本当に存在するとは、初め信じていなかった。「すると彼が、“僕はいたって本気です”、と」。

『Now and Then』を聴いた監督は、この曲がはじめから映画と調和していたことに驚いた。「まるで、ジョン・レノンがこの映画を観て書いたようだった」。編集なしでそのまま流すだけで、「映像と完全にハマった」という。

映画で音楽を手がけたローン・バルフも曲を聴き、壮大なオーケストラ・アレンジに挑んだ。「メロディは非常にクラシックで美しく、この曲を40年前からずっと知っていたかのような響きがあります」と、バルフは話している。「エリー・コンウェイにとってのトリガーとなっています」。

「ビートルズ最後の楽曲で仕事ができたなんて、光栄だというほかありません」と監督は感激の様子で話しながら、この楽曲の存在について「1年以上、秘密にしておくのは大変でした」とも振り返っている。劇中のスパイ同様、監督も秘密を漏らさずに過ごしていたと言うことだ。

かくして、『Now and Then』はリリース後わずか4ヶ月に、『ARGYLLE/アーガイル』で早くも映画デビューを果たすこととなった。もしもこの楽曲がなかったら、『ARGYLLE/アーガイル』の印象も大きく違っていたに違いない。

あわせて読みたい
あわせて読みたい

Source:Kyle Meredith With… 

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly