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誰も『アバター』のキャラ名すら覚えてなくない?ジェームズ・キャメロン監督「まだ1作しかないから」と見解

アバター
(C) 2022 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

ジェームズ・キャメロン監督『アバター』(2009)は全世界興行収入ランキングで歴代ナンバーワンを誇る作品だ。いちど『アベンジャーズ/エンドゲーム』に首位を奪われたが、2021年の中国再上映で奪還した。

つまり、ある意味では世界で1番の映画というわけでもあるが、その物語の偉大さが熱心に語り継がれているという印象はあまりない。どちらかといえば当時画期的だった3D映画としてのハード面、つまり技術的野心が注目され、そのストーリーテリングやキャラクター造形といったソフト面が絶賛される機会は、歴代1位作品としては少ないのではないか。

キャメロン監督にもその自覚はあるようだ。「『そんなにカルチャー的なインパクトがあったか?』とか、『キャラクターの名前を覚えてる人すらいなくない?』と、懐疑的に見られることがある」と、キャメロンは米The Hollywood Reporterに打ち明ける。『アバター』でサム・ワーシントンが演じた主人公ジェイク・サリーを覚えているという観客が、ルーク・スカイウォーカーを覚えている人よりも少ないとしたら、それは『アバター』シリーズはまだ1作しかないから、という部分もあると監督は説明している。

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(C) 2022 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

映画が成功を収めた場合、3年程度で続編が製作されるのがハリウッドの通例だとキャメロン。「カルチャー的なインパクトとは、時間をかけて築くもの。マーベル映画は、キャラクターを交錯させながら、26本くらいかけてユニバースを構築したわけです。だから、議論としては関係がない。この映画の後にどうなっていくかに期待しましょう」とした。

キャメロンの言うように、1作目から13年が経過した『アバター』はこれから怒涛のシリーズ展開を計画している。まず2022年12月に続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を公開させた後、3作目、4作目、そして5作目までの製作が決定済みだ。『ウェイ・オブ・ウォーター』撮影の時点で、既に3作目の製作も並行して行われていたが、実際には4作目の一部までも既に完成しているというスピード展開である。

キャメロンの頭には、さらに6作目と7作目の計画もある。「その頃に、私は89歳になっている」とキャメロンはジョークも交えながら、「誰かを鍛えて、やり方を教えたい」との考えを明かす。「監督としてどれだけ優秀であっても、これ(『アバター』)の作り方はわからないから」と、後継者に託す案があるようだから、『アバター7』までの実現もあながちあり得なくはない。

もっとも、実現のハードルは高い。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』には3億5,000万ドル~4億ドルというハリウッド映画として史上最高クラスの巨額製作費がかかったため、黒字化させるためには興行成績で歴代3~4位を目指す必要がある。「映画史上最悪のビジネスケースだよね」とキャメロンは自虐している。

シリーズの今後を占う『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、2022年12月16日(金)公開。

Source:The Hollywood Reporter

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。