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『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は一部48フレームレートの3D HDRに ─ 来日プレゼンテーションで最新映像が上映

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』プロデューサー ジョン・ランドー 来日プレゼンテーション取材

3D映画の革命を起こした2009年の『アバター』続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』2022年12月16日の公開に向けて、本シリーズのプロデューサー、ジョン・ランドーが来日。2022年10月4日、都内劇場にてプレゼンテーションを行った。

ランドーらは現在、ニュージーランドのWETAデジタル社にてVFXに関する編集作業の真っ最中だが、多忙な合間を縫っての日本訪問。集まった記者陣や関係者に向けて、20分に及ぶ最新の劇中映像を披露した。上映にあたっては3Dメガネが配布された。

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

映像には、鮮やかで神秘的な水中シーン、キャラクターたちによるドラマシーン、銃器を用いた戦闘シーンがいくつか含まれていた。前作から進化した最新鋭の技術を用いた3D HDR映像の没入感は圧巻だ。特に水中シーンにおいては、画面を漂う小さなプランクトンや気泡から、雄大な海洋生物までが目の前に現れるような感覚。実際に自分自身もダイビングを行っているかのような、極めて解像度の高い擬似体験が実現している。

上映された映像は48フレームレートによるものだが、劇中全てのシーンが48フレームレートではないとランドーは説明する。劇場体験の向上が期待できるシーンにのみ適応しているとした。

フレームレートとは毎秒あたりのコマ数を示すもので、48フレームレートは毎秒48コマの映写を意味する。ハイフレームレートでは映像が滑らかになり、視覚的な写実度が向上する。一般的には24フレームレートだ。

実はジェームズ・キャメロン監督は前作『アバター』時の2008年の海外インタビューで、「48フレームでやりたかった」ものの実現できなかった旨を話しており、「きっと『アバター2』で」と宣言していたことがある。なお、前作を4Kレストアで再上映した『アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター』でも、一部シーンが48フレームレートに向上されている。

3Dハイフレームレートが初めて採用された映画は『ホビット 思いがけない冒険』(2012)で、48フレームレートで撮影・映写された。直近では『ジェミニマン』(2019)が120フレームレートを採用している。鮮やかな表現が可能になる一方で、映像がチープに見えてしまう懸念もあり、バランスが重要だ。

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』では、従来通りの24フレームレートを基準に、見せ場となるシーンでは48フレームレートに引き上げた構成となるようだ。同様に、アトモスサウンドも全編には適応しておらず、ハイフレームレートとの相性を優先した上で採用しているという。

若い世代の観客に向けてのコメントを求められたランドーは、本作には10代のキャラクターも多く登場し、若者が共感できる物語になっていると自信を語った。「劇場体験とは特別なものです。iPhoneやiPadといったデバイスからは得られません」と話すランドーは、上映が終わって劇場を出た後も、観た映画についての“会話”が続くという一連の体験こそが重要なのだと説いた。

また、本作はジェームズ・キャメロン監督による「ワン・ディレクターズ・カット」であると表現し、IMAX劇場など一部上映環境限定の追加映像などは一切存在しないとした。

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』プロデューサー ジョン・ランドー 来日プレゼンテーション取材

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『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は2022年12月16日公開。

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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