『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』米初動興収、前作の約2倍に ─ ただし黒字化には「世界興収歴代3位」の必要

ジェームズ・キャメロン監督最新作、『アバター』(2009)続編映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のオープニング興行収入予測が発表された。
本作は2022年12月16日に日本・アメリカをはじめとする世界各国で劇場公開される。米Varietyは、アメリカにおける公開後3日間の成績を「少なくとも1億5,000万ドル」と予想。推移によってはさらに高額の、1億7,500万ドルに到達する可能性もあると記した。一方、米Deadlineは2億ドル超えの可能性にも言及している。
前作『アバター』は歴史的ヒットを記録しており、米国では歴代4位(※公開当時は歴代1位)、世界では歴代1位の興行成績を樹立。しかし、意外にもアメリカ国内の初動は7,702万ドルとまずまずの滑り出しだった。当時革命的だった3D上映の影響もあり、前作は興行収入をどんどん伸ばしていったのである。
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の初動成績が予想通り1億5,000万ドルに達した場合、これは前作の約2倍にあたる。問題はその後のロングランをどう実現するかだが、前作からの13年でハリウッドの興行状況は大きく変化したと言えるし、特にコロナ禍の影響を低く見積もることはできない。ただし、本作は公開直後に観客が集中するタイプの映画ではないはずだ。この初動から数字を飛躍的に伸ばすことができれば、想像以上の“大化け”もありうる。
もっとも、本作に課せられた興行的ハードルは高い。キャメロン監督は米GQにて、製作費が「とんでもなく高い」ことを認め、これは「映画史上最悪のビジネスケース」だと自虐。「利益を出すには興行成績で歴代3~4位にならなければいけない。そこが我々の損益分岐点」と述べたのである。すなわち、世界興収で『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)の20億6,952万ドル、もしくは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)の20億4,835万ドルを抜く必要があるということだ。
幸いにも、本作はハリウッドの大作映画としては久しぶりに中国での劇場公開が決定。日本・アメリカと同じく12月16日に公開され、IMAX上映も実施される。近年、中国は自国の映画産業保護や、国家関係の緊張などを理由にハリウッド映画の公開を見送っており、同じくディズニー傘下のマーベル・シネマティック・ユニバース作品は2019年を最後に劇場公開されていなかった。中国は世界を代表する巨大映画市場のひとつで、前作も2億261万ドルの興収成績を記録。続編のヒットにも期待が寄せられる。
ちなみに、前作と今回の最も大きな違いは、上映時間が前作より30分長い3時間12分となっていること。ただし、業界関係者はこの長尺が興行に大きな影響を与えることはないと楽観的だ。年末年始のホリデー・シーズンで時間を持て余している観客が多いこと、競合する話題作がほかに存在しないことが要因だという。
映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は2022年12月16日(金)公開。
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Source: Variety(1, 2), Deadline, GQ