Menu
(0)

Search

【ネタバレ】「バッド・バッチ」シーズン2第9話、兵士たちは生き方を変えられるのか?

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

この記事には、「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2第9話『分かれ道』のネタバレが含まれています。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

第9話の冒頭は、これまでとはガラッと変わった雰囲気で始まる。西部劇風の音楽をバックに、荒涼とした大地の上空を飛ぶバッド・バッチ一行。今回は、イプシウムという希少鉱物を回収するため、シドが購入したという鉱山を訪れた。

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

イプシウムは“精製すれば高価だが、未精製な状態だと不安定”と説明された。同じような希少物質として『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)に登場したコアクシウムが思い起こされる。

オメガの活躍で無事、イプシウムの回収に成功するも、隊の愛船マローダーが何者かによって盗まれてしまう。さらには嵐が近づいてきたため、一行は近くの町に避難することに。しかし、予想以上に嵐に巻き込まれてしまい、坑道に逃げ込むも、その際に落としたイプシウムが爆発。出口が塞がれてしまった。

地道に岩をどかす作業が続く中、エコーが去り、我が家だと思っていたマローダーまで奪われてしまった寂しさをオメガが吐露する。それに対してテクは、エコーが加入する前からチームは存在し、いなくなっても存在し続けると指摘。動揺したオメガは独りで坑道の奥へと歩いて行ってしまった。

その先で偶然にも大量のイプシウム鉱床を発見する。後を追ってきたテクと回収を試みるも、オメガは足を滑らせて深い穴に落ちてしまう。テクもすぐに飛び込んで後を追うと、2人は滝つぼに流れ着いた。運良く外に通じる穴を見つけると、残りの2人を呼び寄せて洞窟からの脱出に成功するのであった。

エコー脱退の余波と通じ合わない想い

本シーズンでは一貫して、エコー、テク、オメガの3人の心情に焦点が当てられてきた。エコーは同胞クローン兵への責任感と自分を救ってくれたバッド・バッチへの恩義との間で揺れ、オメガは自分が隊にいていいのかと思い悩み、テクは分離主義惑星の住人やギャンブラーなど自分と考え方が全く異なる人々に触れてきた。

後半にさしかかったタイミングでエコーが仲間の元を去る決断を下し、残されたオメガは不安定な状態になる。一方、他の3人はテクの言う“兵士の考え方”をしているため、感情を表に出すことはない。兵士たるもの、たとえ仲間の命が失われようとも動揺せず、戦いを続けなくてはならないのだ。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

だからといって感情を完全にコントロールできる訳ではない。ギスギスとお互いに責任をなすりつけ合う3人に囲まれれば、第2話でオメガを救い出したことについて「正しい選択をしたんだ。少しも後悔してない(We made the right choice, Omega. I’d do it all again.)」という言葉をかけてくれたエコーの温かさを懐かしく感じ、二重の意味でエコーに助けを求めたい気持ちは容易に想像できる。

安全第一のハンターと脳筋レッカーはオメガにどう接すればよいか分からず、論理全開で歯に衣着せないテクだけが単独で向き合ってしまい、ついにオメガの感情を爆発させてしまった。「エコーが加入する前からチームは存在し、いなくなっても存在し続ける」という事実は彼女に相当なショックを与えただろう。ちょうどエコーに通信を試みた際、「ハヴォック4、こちらハヴォック5」と言っていたが、オメガはクロスヘアーを除いて5人目のメンバーであり、エコーよりも加入が遅いのだ。テクの発言は乱暴に捉えれば、“お前がいなくなっても私たちは平気だ”というようにも取れる。

しかし、テクは深い穴の底へ落ちていくオメガの後をためらいなく追った。そして行き着いた先で2人は解決の糸口を見つける。前週の第7話・第8話では「バッド・バッチ」シーズン2が「クローン・ウォーズ」シーズン8となったと評したが、バッド・バッチ自体の物語に注目すると、オメガがメンバーの一人一人と真に分かり合っていき、己の行き先を見つける旅になっていくのかもしれない。

さて、シドの助けは当てにならず、食料は尽きかけだ。一行は荒れ果てた惑星を脱出することはできるのか、またマローダーを取り戻すことはできるのか……。

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2はディズニープラスにて独占配信中。

Writer

アバター画像
Red 4

「クローン・ウォーズ」が心のふるさとなスター・ウォーズオタク。クスッと笑えたり、へーと思ってもらえるような記事を目指してライター修行中。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly