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「クローン・ウォーズ」ファンは「バッド・バッチ」シーズン2を観て欲しい ─ 「マンダロリアン」にもつながる魅力を徹底解説

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
©2021 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

アニメ「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」シーズン2の全16話が完結した。正直、筆者は本作のシーズン1を全て視聴したものの、そこまで楽しむことができなかったため、シーズン2にもあまり期待をしていなかった。

しかし蓋を開けてみると、期待を裏切るどころか、歴代『スター・ウォーズ』作品の中でもトップクラスに興奮&泣けるエピソードと数多く出会うことができた。

特にアニメ「クローン・ウォーズ」(2008-2020)を視聴していれば、涙なしでは見られない演出が数多くあり、配信中のドラマ「マンダロリアン」(2019-)とも強いつながりを見せてくれたのが今回のシーズン2である。そんな本作の物語を振り返り、見所と次シーズンへの展望を語っていきたい。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
(L-R): Echo, Omega, Wrecker, Hunter, and Tech in a scene from “STAR WARS: THE BAD BATCH”, season 2 exclusively on Disney+. © 2022 Lucasfilm Ltd. & ™. All Rights Reserved.

「バッド・バッチ」シーズン2のストーリー展開の基本的な流れは、シーズン1と同じだ。任務で新たな星を訪れ、帝国軍や悪党たちと戦いを繰り広げる。だが大きく変わった点としては、各メンバーの心情がより鮮明になったことで、チーム内での葛藤や対立が浮き彫りになったことだ。いつもオメガ命で父性爆発中のハンター、兄弟愛から帝国に一矢報いるべきだと考え方向性の違いを感じ始めるエコー、自分が足手まといになっていると責任を感じて無理をし始めるオメガ。2シーズン目ということもあり、感情移入できる幅が格段に広がった。

また、視点がバッド・バッチの元を離れる回も何度か見られた。独りで帝国軍に残るクロスヘアーの主役回や、首都惑星コルサントを舞台とした政治劇など、帝国勃興期の重苦しい空気感の中で送られる人間ドラマとなっており、渋い名作回が多く披露されている。

全体のトーンとしては、前半こそシーズン1の明るさ、無邪気さを引き継いでいるが、特に第12話からフィナーレの16話までについてはシリアスな展開が続き、かなり見応えがある。シーズンを通しても、“激動の時代に揺れる銀河を前に、家族としてどう生きるか”というテーマが一貫として投げ掛けられており、メッセージ性を感じた視聴者も多かったのではないだろうか。

実質的に“「クローン・ウォーズ」シーズン8”なエピソードたち

それでは他作品とクロスオーバーした点を中心に、「バッド・バッチ」シーズン2の見所を振り返っていこう。まずは、なんといっても「クローン・ウォーズ」ファンであればこれだけは見てほしいという珠玉の“シーズン8”エピソードが数多くあるので紹介していく。

第3話『孤独なクローン』は生粋の兵士として造られたクローンたちが、戦争終結後に直面した運命が描かれる。コーディの再登場回という点だけでも必見のエピソードだが、「クローン・ウォーズ」でポング・クレル将軍が残したトラウマや、平和を希求して行動を続けたパドメ・アミダラの遺産が背景に色濃く感じられる中でのストーリー展開は、涙なしに見ることはできない。

第6話『部族』では、ウーキー族のジェダイであるグンジーが再登場。久しぶりにフォースやライトセーバーといった“まさにスター・ウォーズ”なアクションを楽しむことができる。CGで再現されるウーキーたちの故郷、惑星キャッシークの息を呑む美しさも堪能してほしい。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
©2021 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

第7話・第8話においては、プリクエルの醍醐味とも言える陰謀渦巻くスリル満点の政治劇が繰り広げられた。今は亡きアミダラ議員の後を追うかのように、ライヨ・チューチー議員が正義感あふれる弁舌を振るい、帝国の闇に対峙していく。しかし一番の衝撃であり、本エピソード最大の魅力は全てを手のひらの上で転がすパルパティーン皇帝の計り知れない凄みだ。チューチーとバッド・バッチが命がけで起こした行動が、一瞬で水の泡と化す様を目撃し、ぜひ慄いていただきたい。

スター・ウォーズ:バッド・バッチ
©2023 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

最後は第11話『メタモルフォーゼ』だ。「クローン・ウォーズ」に登場するも、長く伏線が未回収のままであったジロ・ビーストのその後が語られる。

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Red 4

「クローン・ウォーズ」が心のふるさとなスター・ウォーズオタク。クスッと笑えたり、へーと思ってもらえるような記事を目指してライター修行中。