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読書は素晴らしい!『美女と野獣』を観たら読みたい、上品な一冊 『ベルの読書日記』のススメ

ベルの読書日記

2017年4月21日より公開中のディズニーによる不朽の名作の実写化映画『美女と野獣』

フランス語で”美しい”という意味を持つベルという名の主人公は機知に富み、豊かな想像力を持っている女性であるがゆえに、周りから「変わり者」と思われているのだが、ベルというキャラクターを語る上で欠かせない物と言えば、それは恐らく「本」であろう。
劇中、ベルはいつも本を肌身離さず持っていて、街中を歩きまわる際にも一切本から目を離さない。何冊かしか蔵書がない小さな図書館へ足繁く通い続ける彼女が、「読書でいろいろな世界を旅できる」と語っていたのも印象的だ。

そんな彼女の読書人生は野獣と出会うことで激変する。野獣の住む城の中には立派な図書室があり、その部屋全体に広がる書棚を見たベルが大きく感動していたシーンが、ベルというキャラクターを明確に浮き彫りにした場面と言えるだろう。

ここで、「ベルはどんな本を読んでいるのだろう?」「あの本やこの本に関して、ベルならどんな感想を抱くだろう?」などという想像や疑問が頭に思い浮かんだという方も中にはいるのではないか?
そのファンの好奇心に答えてくれている一冊が、『ベルの読書日記』である。

美女と野獣 ベルの読書日記

1991年の名作『美女と野獣』脚本家が監修

この本に書き綴られているのは物語ではなく、ベル自身が読んだ本の中から印象的だった一説を引用し、そこに自らが考えた事、思った事、感じた事などが書き添えられているといったものである。
実在の人物でもなく、偉業を成し遂げた人物であるわけでもない彼女が書き記した日記であるのに、説得力があるのはなぜだろうか?
それは、本書を監修したのが、1991年の名作と謳われるディズニー・アニメーション『美女と野獣』で脚本を執筆したリンダ・ウールヴァートンだからなのではないか。
元々、『美女と野獣』は大昔から読み継がれてきたフランスの民話を下敷きにしており、そこに「読書好き」というベルのキャラクター性を組み込んだのが、他でもないウールヴァートンなのだ。
彼女は幼い頃から読書が大好きで、いつも本を肌身離さず持ち歩いていたという。しかし、話の一番いいところで彼女の母は用事を言いつけてくる為に、いつも本を中断しなけれなならない。そこで彼女が思いついたのが、本を読みながら出かけていくという手段だった。そう、ベルが映画内で初登場するあのシーンのように、幼き日のウールヴァートンもまた本から全く目を離さずにお使いに出ていたのだ。
そんなウールヴァートンの性格が反映されたディズニー版のベル自身が本を開き、想像を膨らませ、本を閉じて抱いた「思い」が本書には詰まっているのだ。

心に残るベルの言葉

劇中でも野獣に対して心に響く言葉を言い聞かせ心を変化させていったベルだが、その影響力は本書でも健在で、終始、心に残る言葉の数々が書き添えられている。
ウィリアム・シェイクスピアやラファイエット夫人、マーガレット・キャベンディッシュなどが綴った言葉を引用しながら、その言葉から得た自身の考えや想像が、美しい挿絵と共に記されており、ベル自身が世界に、とりわけ現代に生きる女性たちへ伝えたい強いメッセージが込められているように思う。
女性が優位に立てる時代でなかったことが『美女と野獣』本編でもうかがえるが、そんな時代においても聡明で機知に富み、決して学ぶことや挑戦することを恐れなかったベルが放つ言葉であるからこそ、読者に勇気と自信を与える説得力があるのだろう。
またルミエールやコグスワース、ポット夫人といった映画に登場するキャラクターたちにも触れられている個所もあり、まさにベルが書き記した日記そのものが映画から飛び出してきたかのような一冊である。

読書で夢を!

本書に込められた最大のメッセージは、やはり読書の素晴らしさを伝えているものであろう。
近年、日本でも活字離れなどと囁かれている時代であるが、読書することでしか得られない知識や想像力、そして夢というものが、この世には存在する。
登場人物たちの容姿や声、その場面の情景などを想像しながら、世界を旅する。これこそ、映画やゲームでは得られない、読書の魅力であろう。
例えば、本書に引用された一節に、こんな言葉がある。

読んでも悪いことはないだろう。
なぜなら、なにひとついいところがないほどひどい本など、存在しないからな。

これはミゲル・デ・セルバンデスの『ドン・キホーテ』より引用された一節だが、まさにその通りで、読書とは決して無駄な事ではなく、書かれた言葉は人よりも長く生き続け、読書で得た機知の数々によって窮地を乗り越えられることもある。
読書で夢を見よう。読書で知識を得よう。そんなメッセージが本書には込められているのだ。
ディズニー・プリンセスが放つ言葉であれば、幼い子供たちもきっと本を手に取って、読書に講じてくれる。
そんな役目も一役買っている一冊である。

実写版でもアニメーションでも『美女と野獣』を観たことがあるという方々におススメしたい上品な一冊『ベルの読書日記』。
本書に書き綴られた言葉の数々を、小さな子供たちにも是非、一度手に取ってもらいたい。

Writer

Sunset Boulevard
Sunset Boulevard

映画・海外ドラマライター。映画ファンの方々が知りたいNEWS、評論、コラムなどを中心に他とは違った視点から注目した記事を寄稿していきたいと思っております。

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