【バイオハザード: ザ・ファイナルを観る前に】ビビリな私のバイオ日記【バイオハザードII アポカリプス編】
「ビビリな私のバイオ日記」とは、今月遂に公開される『バイオハザード ザ・ファイナル』を少しでも見たいと思っているけど、
- ゾンビが怖い
- ゲーム版(原案)を知らない
- アクション映画をあまり見ない
- 今までの作品を見てきていないので内容がわからない
これらの障害があるせいで、見にいくのを早々に諦めている方に向けて、今さら聞けないシリーズ全作のあらすじ、設定等を徹底解説していこうというものだ。怖がりな人でも見やすいということで、ビビリな私がビビリなりに『バイオハザード』シリーズの魅力をご紹介していく。

今回は、シリーズ二作目『バイオハザードII アポカリプス』をご紹介しよう。
【注意】
この記事には、2004年の映画『バイオハザードII アポカリプス』に関するネタバレ内容が含まれています。
2004年『バイオハザードII アポカリプス』

監督:アレクサンダー・ウィット / 脚本:ポールA・S・アンダーソン
時系列として、今作は一作目ハイブでの事件から2日後に、街にアンデッドが放たれた所からスタートされている。
重要な一作目からの繋がり
今作において重要なのは、一作目のラストシーンだ。前回の記事でもお話したように、アリスとマットが生還、しかしリッカーによって負傷した部分が変異を起こしていたマットは研究員に連れて行かれた。アリスもまた、「アリス計画」のために病院に連れて行かれ、ある日医療室で目覚める。病院から抜け出すと、街は既にアンデッドによって壊滅的なものとなっていた。
主な登場人物
アリス:主人公。Tウィルスを投与され、細胞レベルで取り込む事ができ、無敵スペックを得る。
ジル・バレンタイン:S.T.A.R.Sの強気な女性隊員。ゲーム版『バイオハザード』の大半に登場する。
カルロス:U.B.C.Sの隊長。ゲーム版『バイオハザード3 LAST ESCAPE』等に登場する。
アシュフォード博士:Tウィルスを生み出した科学者。筋ジストロフィーを患っている。
アンジェラ:アシュフォード博士の娘。父と同じく筋ジストロフィーを患っていたがある薬のおかげで元気。
ケイン:アンブレラ社の人間。ネメシス計画、ラクーンシティ浄化計画を担当。
L.J : ジルたちと行動をともにする民間人。
テリ:ジルと行動をともにするニュースキャスター、街の様子や事件がアンブレラ社の陰謀だということをカメラに映している。
一作目との違いは
一作目との違いとして、まず挙げられるのがゲームとのリンク感だ。今作でははじめてゲームに登場するキャラクターが登場する。主に、ジル・バレンタインとカルロス・オリヴェイラだ。そして何よりストーリーも、カルロスが初登場する『バイオハザード3 LAST ESCAPE』とリンクしたものとなっている。
また、今作は一作目より一層アクションに注力している。一作目がハイブという閉鎖的空間を舞台にしてホラー要素や臨場感が高かったものに対して、今作は街全体を舞台とし、開放感が与えられている。それ故に、ホラーの要素よりド派手なアクションシーンが目立つものとなった。(怖がりでも見やすいよ!)
何故アンデッドが街に繰り出した?

これはもう完全にアンブレラ社のせいだ。せっかくアリスたちが閉め切ったハイブを、また開けてしまったのだ。その結果、ケルベロス(ゾンビ犬)をはじめアンデッドが地上に放たれてしまった。
『ラクーンシティ浄化計画』とは
街にアンデッドがはびこる中、市民はアンブレラ社の監視下にある市街にでる唯一のゲートに殺到していた。しかし、群衆の中に発症者が現れてしまったため、ゲートは即時封鎖。銃を持って「5秒以内に家に帰らないと撃ち殺すぞ」なんて市民を脅す大企業、いかなるものか!
そして、今回の不祥事をアンブレラ社はもみ消そうとしていた。悪い奴らだからね。そのもみ消し方がなんとも大胆!ラクーンシティにミサイルを落とし街もろとも吹き飛ばすつもりなのだ。ひえー
とにかくジル・バレンタインが美しい
今作で特に注目したいキャラクターは、ジル・バレンタインだ。もともとゲームにメインで登場してくるのだが、そのキャラクター再現率が120%といっても過言ではない。容姿は勿論、アクションもアリス顔負けであり、演じた女優のシエンナ・ギロリーは今作で大ブレイクを果たす。
ARMANI(アルマーニ)、DOLCHE&GABBANA(ドルチェ&ガッバーナ)のモデルを務めた事もある、スタイル抜群の彼女の戦闘シーンは男性だけでなく女性も思わず見惚れてしまうものだろう。
アリスが最強になって戻ってきた!

さて、今回アリスが最強になって戻ってくる。何故かというと、一作目の最後に研究員に連れて行かれた際、Tウィルスを投与されていたからだ。普通なら化け物に変異してしまうはずが、なんと彼女は細胞レベルでウィルスを取り込むことに成功、そのままの姿で超人的なパワーを得たのだ。
なんでアリスあんなにばか強いの?という疑問をずっと抱いていた方、これが答えである。
今作での彼女の登場シーンがスーパークール。ジル一行が教会で三体ものリッカーに囲まれて危機一髪という時に、スタンドグラスをぶち破り、バイクに乗って颯爽と表れるアリス。そのまま余裕でリッカーを片付ける彼女に、痺れる憧れる!

ミッション:アシュフォード博士の娘を救出し、街を脱出せよ!

市民が避難しきれなかった中、アンブレラ社にとっての重要人物はしっかり保護されていた。その中でも最優先人物として保護されていたのが、Tウィルスを生み出した(元凶を生み出した)科学者、アシュフォード博士だ。しかし、彼はまだ街から離れるわけにはいかない。何故なら彼の愛娘、アンジェラがまだ街の小学校に取り残されてしまっているからだ。
博士はそこで、市街のカメラを見ながらアリス、ジル達を見つけ、公衆電話にアクセスし、娘の救出をする代わりに街から出してやる、という取引をする。
「ネメシス計画」開始

さて、ここで一作目のラストシーンで研究員が話していた「ネメシス計画」を思い出していただきたい。実はここで、今作の黒幕であるアンブレラ社のケインが「ネメシス計画」を実行させる。そこで放たれたのが、ネメシスというクリーチャーだ。人間に近い形であるが、頭部はリッカーに少し似ている。アンブレラ社によって操作され、マシンガンやロケットランチャーなどを装備している。しかも狙ったターゲット以外のものは銃弾を当てないという器用っ子でもある。
ネメシスはゲーム版『バイオハザード3』にも登場していて、「追跡者」という異名を持つ。この映画で彼が追うのは……アリスだった。
夜の学校って怖いよね!ゾンビ犬の再来

一行はアンジェラのいる小学校に向かう。この際、外に警察犬を載せていたような車両が倒れていて、ケージが破かれている所が映される。間違いなく、奴らが再びやってくる事を暗示しているのだ……。
さて、アリスらは学校で、同じく街に取り残されたU.B.C.Sというチームのカルロスと仲間に合流する。彼らもまた、博士と同じ取引を行っていた。そしてアンジェラを見つけ出し、小学校を後にしようとするが、例のゾンビ犬が襲ってくる!しかし、またもやアリスがクールにやっつけてくれるのであった。
ケルベロス(ゾンビ犬)は、一作目に画期的な登場を果たし、今後もシリーズでほぼ絶対登場するスタメンクリーチャーでもあるので、覚えておこう!
ここで明かされる、Tウィルスの本来の使用目的
さて、アンジェラを見つけて一安心なのだが、ここで何故博士がTウィルスなんてものを作ったのかが明かされる。
博士は劇中、車椅子に乗っているのだが娘のアンジェラも遺伝で彼と同じ病気、筋ジストロフィーを患っていた。博士はそんな彼女が自分のようにならず、普通の健康体になるために、Tウィルスとワクチンを開発したのだ。
Tウィルスは、細胞を活性化させる作用を持っている。だから、死後も肉体的に活動を続けられる、つまりゾンビになるのだ。しかし、上手く使えばアンジェラのように、一部の身体の機能を回復させる事も可能なのである。勿論、コントロールが必要なため、アンジェラは常にウィルスとワクチンを複数持ち歩き、腕には大量の注射跡が残っていた。
だが、彼はこの発明をアンブレラ社に奪われてしまった。そしてあの惨劇。やっぱアンブレラ社って悪い奴!
ヘリで脱出、立ちはだかる敵

アンジェラ救出後、一行は博士に言われたようにヘリのある場所に向かうと、そこには博士、そして悪者のケイン、アンブレラ社の特殊部隊が待ち構えていた。アリス以外は皆捕らえられてしまい、そこにやってきたネメシスと戦えとケインは命令する。どちらが強いのか見てみたいとのことだ。
「断る」というアリスに対して、見せしめに博士を撃ち殺すケイン。目の前で父親を殺すなんて、アンジェラにとって、とんでもないトラウマだ!そしてアリスは、渋々ネメシスと拳で戦いはじめたのだった。
ラスボスは、ネメシス!その正体とは

さて、ネメシスの正体だが、お察しの通りマットだ。彼はあの後研究員に連れて行かれ、生物兵器として実験台にされてしまったのだ。よーく見たら、マットの持つピュアなブルーアイが……あんなにイケメンだったのにこんな風にされて……!
それに気づいたアリスは、めちゃくちゃネメシス(マット)に謝る。ネメシスも、その時同時にマットとしての意識を取り戻したのか、その後アリスの見方となってアンブレラ社の人間に攻撃をする。しかしながら、落下してきたヘリの下敷きとなってしまうのだ。ひたすら悲しい……マットーー!(涙)
ラクーンシティ脱出成功!と思いきや
アリス、ジル、カルロス、アンジェラ、L.Jは、ミサイルによって吹っ飛ぶラクーンシティを背にヘリで脱出する。しかし、乱気流にのまれ、揺れるヘリの中でアリスはアンジェラを庇って致死的な大怪我を追い、ヘリは墜落。
その後アンブレラ社の探索部隊が、ヘリ墜落地に訪れ、瀕死状態のアリスを回収する。しかしながら、他の者の遺体が見つからなかった。
テリが撮っていたビデオは?

さて、あまり語らなかったが(何故かというと小学校でちびっ子アンデッド達の餌食になってしまったから)ジルたちと行動をともにしていたニュースキャスター、テリがビデオを撮っていた。後にアリスがビデオ日記のようなものを始めたきっかけでもあるそれは、自分が生還できた場合、世間に公開するための暴露ビデオだったのだ。
テリが襲われた後、ジルがそれを引き継ぎ、最終的に世間に公開する。だが、すぐさまアンブレラ社のもみ消しによって、ラクーンシティの事件は原子力発電所の事故による悲劇という風に報道されてしまう。そしてデマを流した、という罪でジルとカルロスは指名手配となってしまった。
またもや研究所で目覚めるアリス

その3週間後、水が入ったチューブの中で目覚めるアリス。そこにいたのは、1作目の後自分にTウィルスを投与していた科学者、アイザック博士。
しかも、今回もまた実験台とされていて、その結果超能力を手に入れた。意識を取り戻した直後は記憶をなくしていたアリスだが、博士を見て全てを瞬時に思い出し、超能力をつかって全員を吹っ飛ばして逃走。
その後、施設の外で行方をくらましていたジルとカルロス一行の車に乗せられ、施設を後にする。彼らは皆生きていたのだ!
アンブレラ社が指名手配していた人物が二人も顔を揃えて、アリスを堂々と施設の者から奪還できたのが不思議でならないのだが……。うまく行き過ぎていた背後にはアイザック博士の影があった。
博士は、施設から脱出しようとする彼らをわざと逃がし、「アリス計画」に取りかかろうと目論んでいたのだ。

都市一つ壊滅させても、情報操作するなどして、難を逃れることのできる大企業アンブレラ社。全米で最もシェア率の高い薬品会社が、市民に嘘をつき危険な目にさらすという設定がシリーズの中で最も濃く描かれた今作には、どこかアメリカ国民の薬品会社に対する不信感が投影されているように思える。
一体「アリス計画」とは何なのか……それは次回の記事で明らかに!
Eyecatch Image:http://allmyblogcw.ga/resident-evil-apocalypse.html