ジャレッド・レト『ブレードランナー 2049』は「僕にとってのスター・ウォーズ」 ― 作品に自信、視力ゼロの衝撃役作りも

映画『ブレードランナー 2049』で盲目の科学者ネアンデル・ウォレスを演じているジャレッド・レトは、ほとんど自分の作品を後から観ることがないという。アカデミー助演男優賞を受賞した代表作『ダラス・バイヤーズ・クラブ』(2013)ですら、彼は本編を観たことがないというのだ。そんなレトは、すでに『ブレードランナー 2049』を「いつか観る」と明言している。

どうやら、とりわけ思い入れの深い出演作だけを観るらしいレトは、一体この映画にどんな思いを込めているのか? その熱いコメントと、撮影現場での衝撃的な役づくりエピソードをご紹介することにしよう。

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『ブレードランナー』は「僕にとっての『スター・ウォーズ』」

1982年公開『ブレードランナー』は、かの名シリーズ『スター・ウォーズ』のオリジナル3部作が完結する前年に公開された作品だ。ジャンルこそ同じ「SF」ながら、その方向性はあまりにも違い、それゆえに一部の観客は戸惑ったり驚いたりしたといわれる。人間の生命や倫理について問いかけるテーマは、きっと現代の観客にこそ新鮮な感覚をもって受け止められるだろう。35年ぶりの続編『ブレードランナー 2049』も、フィリップ・K・ディックの原作小説や前作に描かれたテーマを引き継いだ映画になっている。

どうやらレトは、そういった作品のテーマや内容に非常に愛着を感じているようだ。米Rotten Tomatoesのインタビューにて、本作を観た人々のリアクションに求めるものを問われたレトは、いささか熱の入ったコメントを返している。

「みなさんには刺激を受けてもらいたいし、興奮してもらいたいですね。未来のことやテクノロジーのこと、人工知能やレプリカントについて話し合ってもらえることを願っていますよ。未来はこんなふうになるのかな、って。どれくらい映画を楽しんで、どれくらい満足したのか、ぜひ話してほしいと思っています。」

ブレードランナー 2049

そして本作のキャスト・スタッフに対しても、彼は最大限の賛辞を送っている。

「本当に、めったにないことですよ。素晴らしい才能が集まった映画で、幸せだと思えるほどの才能に囲まれて。ハリソン・フォード、ライアン・ゴズリング、ドゥニ・ヴィルヌーヴ(監督)、ロジャー・ディーキンス(撮影監督)、マイケル・グリーン(脚本)……全員が驚くべき人たちだったんです。こんな規模の映画もそうそうありませんしね。わがままですけど、すごく興奮していますよ。こんな映画がもっと作られること、もっと増えることを願っていますし、『ブレードランナー』の前日譚や続編、スピンオフができることも願っています。だって僕は『ブレードランナー』ユニバースが大好きなんですよ。僕にとっての『スター・ウォーズ』なんです。」

気合い入りすぎ? 視力ゼロの役作り

これまでレトは、いくつもの映画で“やりすぎ”とすらいえる過激な役作りに挑んできた。ジョン・レノンを暗殺したマーク・チャップマンを演じた『チャプター27』(2007)では体重を短期間で大幅に増量し、痛風を患って一時は車椅子生活を送っている。『スーサイド・スクワッド』(2016)のジョーカー役では共演者たちに危険なプレゼントを送りつけたことが大きな話題を呼んだ。

『ブレードランナー 2049』にかなりの熱意をもって臨んだと思しきレトは、やはり本作でも過激な役作りに挑んでいる。演じるウォレス役は盲目の科学者という設定、そこで彼が選んだのは「撮影現場では視力ゼロのまま過ごす」という方法だった。まったく目が見えなくなるコンタクトレンズを装着したまま、レトは撮影の日々を送ったというのである。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、その異様な光景を米ウォール・ストリート・ジャーナル誌に語っている。

「ジャレッドがどんな風に役に入るのか、という話は聞いてましたよ。でも、この方法は予想してなかったですね。
部屋に入ってきた時、彼には何も見えていないんですよ。アシスタントと一緒に、とてもゆっくり歩いていましたね。まるでイエス・キリストが聖堂に入っていくみたいでした。みんながすごく静かになって、神聖な時間が流れるんです。みんな、畏れを抱いていましたよ。すごく美しくて力強いので、感動のあまり涙が出てしまいました。ただのカメラテストだったんですけどね。」

 

こうしたレトによる演技の一部は、すでに公開されている短編映像『2036: ネクサス・ドーン』でも見ることができる。本編では一体どんな演技を見せてくれるのか、ファンならずとも気になるところだ。

映画『ブレードランナー 2049』は2017年10月27日より全国ロードショー

Sources: https://editorial.rottentomatoes.com/article/interview-jared-leto-on-blade-runner-rotten-tomatoes-and-our-obsession-with-nostalgia/
https://www.wsj.com/articles/hanging-out-with-jared-leto-1504791535
http://ew.com/movies/2017/09/08/jared-leto-blind-blade-runner-villain/
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore ( https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28316589680/ )

About the author

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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