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マーベル『ブラックパンサー』予告編で流れているカッコいい曲って何?

2018年2月16日に全米公開予定のマーベル・シネマティック・ユニバース作品『ブラックパンサー』初の予告編が、日本時間2017年6月10日朝、公開となった。『シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ』で鮮烈なデビューを果たしてから日本のファンの間でも大きな人気を得ていた”陛下”ブラックパンサー初の単独映画の映像だけあって、公開間もなくマーベル・ファンらの間で話題に。

ここのところ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』や『マイティ・ソー:バトルロイヤル(ラグナロク)』、『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』で話題が持ち切りだったマーベル・シネマティック・ユニバースにおいて、『ブラックパンサー』のフィジカルでシリアスな世界観は際立っている。そのクールな映像をさらに引き立たせている起用楽曲についてご紹介したい。

『ブラックパンサー』予告編楽曲

この楽曲は、ラン・ザ・ジュエルズRun the Jewels)というアメリカのヒップホップ・グループの“Legend Has It”だ。

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

ラン・ザ・ジュエルズとは

ラン・ザ・ジュエルズは、エル・Pとキラー・マイクによる人種を越えた二人組グループ。キラー・マイクが2011年にカートゥン・ネットワーク執行役員の紹介でエル・Pに出会い、エル・Pがキラー・マイクのアルバムのプロデューサーを務めるところから付き合いがスタートした。二人は2013年にセルフタイトル・アルバム”Run the Jewels”でデビューすると、翌年2014年に”Run the Jewels 2″をリリース。『ブラックパンサー』予告編に起用されている楽曲”Legend Has It”は、2016年にリリースされた3枚目のアルバム“Run the Jewels 3”に収録されており、同アルバムはビルボードのR&B/ヒップホップ・アルバム・チャート、ラップ・アルバム・チャートの2部門で1位を獲得、総合チャートでは13位を記録している。

“Run The Jewels 3” ジャケット

日本ではあまり名の知られていないラン・ザ・ジュエルズではあるが、ビルボードのチャート記録が物語るようにアメリカでは非常に評価の高いグループ。2016年に最優秀インターナショナル・バンド賞を獲得したNMEからは「トランプ政権下のアメリカに求められるヒーロー」とも評されている

Cover boys pt. 3. @nmemagazine hits tomorrow 👉🔥👊

Run The Jewelsさん(@runthejewels)がシェアした投稿 –

そう、ラン・ザ・ジュエルズはポリティカルなメッセージを刻み込むグループで、そういったアーティストがチャート1位を取るまで聴かれるアメリカも凄いのだが、マーベルが『ブラックパンサー』予告編に起用したということも驚きだろう。

マーベルとブラック・ミュージック

トニー・スタークがAC/DCを聴いている、スティーブン・ストレンジやピーター・クイルが70~80年代のポップスやロックに精通しているなど、音楽との繋がりも色濃く描かれていたマーベル・シネマティック・ユニバースだが、予告編映像でオリジナル・スコアでなく実存のアーティストによる楽曲を起用した例は珍しい。

ことブラック・ミュージックは、Netflixドラマ『ルーク・ケイジ』でシリーズ全編を通じてフィーチャーされている。各エピソードのタイトルは1985年~2005年に活躍した伝説的ヒップホップデュオ”Gang Starr”(ギャング・スター)の楽曲タイトルが使用されているほか、ヒップホップ・プロデューサーであり新世代ソウル・ミュージックを手がけるエイドリアン・ヤングと、90年代に活躍したヒップホップ・グループ”A Tribe Called Quest”に所属したアリ・シャヒード・ムハマドらをスーパーバイザーに迎えている。さらに、本作の第6話を1990年代の伝説的ヒップホップ・グループ、Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)のラッパー、RZAが監督を手掛けたことでも話題となった。

スーパーバイザーや監督に迎えられたヒップホップ界の重要人物の顔ぶれや、彼らによって監修された劇中挿入曲を聴けばわかるように、『ルーク・ケイジ』でフィーチャーされたヒップホップはオールドスクールであったが、『ブラックパンサー』で起用されたラン・ザ・ジュエルは時事性の高い話題をポエティックにラップする、現在進行系のニュー・ウェイヴだ。『ブラックパンサー』では、ラン・ザ・ジュエルズはじめ現行ヒップホップシーンの楽曲が多数聴けるかもしれない。

他方のDCでは『スーサイド・スクワッド』で、スクリレックス、リック・ロスやリル・ウェイン、ウィズ・カリファにエミネムといったアーティストらの楽曲を揃え他のアメコミ映画との差別化に音楽の面で成功していた。『ブラックパンサー』では、ラン・ザ・ジュエルズの他にどのような音楽が起用されるのか、引き続き注目したい。

映画『ブラックパンサー』は2018年2月16日全米公開

Eyecatch Image:https://twitter.com/theblackpanther/status/873162791636566016
c 2017 Marvel

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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