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映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』3つの見どころポイント解説

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
©Marvel Studios 2022

マーベル・シネマティック・ユニバースブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』がいよいよ日米同時公開となった。待望作となるこの映画の見どころを、3つに絞ってご紹介しよう。鑑賞前の準備としてはもちろん、観賞後にも改めて見直したいポイントを解説する。

ポイント1:シリーズ主演が逝去、喪失の中で生まれた追悼と継承

ブラックパンサー
ブラックパンサー』 ディズニープラスで配信中 (C)2022 MARVEL

多くのところで語られているように、本作はシリーズ主演チャドウィック・ボーズマン亡きまま製作された、失意と決意の続編映画である。

2020年8月。チャドウィックが亡くなった時は、既に脚本初稿も出来上がっており、2021年3月に撮影を始める予定になっていた。監督のライアン・クーグラーにとって、チャドウィックは共にキャリアを駆け上がった盟友。死別によって、監督業の引退を考えるほど心痛したという。

主演俳優の死去。シリーズ続行不可能としか考えられない状況下で、監督とマーベル・スタジオはチャドウィックの意志を受け継ぎ、前に進むことを決めた。その際の決まりは一つ。流行りのデジタル蘇生や、代役を使って、彼が演じたティ・チャラを彼抜きで描かないこと。つまり、劇中でもティ・チャラは亡くなったという設定である。

脚本は大部分を書き直した。もともとのあらすじは、『アベンジャーズ』でサノスが指を鳴らしたことで消失した5年から帰ってきたティ・チャラが、取り戻せない時間を嘆くというもので、ダークな作風になる予定ではあったという。本編を鑑賞すると、「この戦いや、このドラマは、おそらくティ・チャラが担うことになっていたのだろう」と想像させる部分もある。チャドウィックへの追悼ももちろんのこと、残されたワカンダの人々が『ブラックパンサー』の物語をどう受け継いだか、その偉大な決意にも敬意を払いたい。

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
© 2022 MARVEL.

また本作には、亡くなった設定のティ・チャラを送り出す描写もある。そこでキャストたちが流す涙は、チャドウィックを想った本当の涙なのだろう。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『ブラックパンサー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』、そしてチャドウィック・ボーズマンが出演した数々の作品が我々に与えてくれた興奮、感動、優しさ。大切な人との出会いと別れ。様々な想いを照らす、継承の物語となっている。

ポイント2:ネイモアアイアンハート、新キャラクターに注目する

MCUの新時代につながるキャラクターにも注目したい。本作で初登場するネイモアとアイアンハートは、今後のMCUで極めて重要な役割を担うことになるだろう。それはなぜか?

ネイモア:「イルミナティ」にもつながる?

ネイモアは、コミックでも長い歴史を持つ人気アンチヒーロー(初登場は1939年)。海底王国タロカン(原作コミックではアトランティスという名前だが、MCUでは改名された)の王で、気性の荒い暴れん坊キャラだ。状況によってアベンジャーズらヒーローと対立することもあるが、共闘することもある。

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
Tenoch Huerta Mejía as Namor in Marvel Studios’ BLACK PANTHER: WAKANDA FOREVER. Photo by Eli Adé. © 2022 MARVEL.

傲慢なところはMCU版では抑えられた印象だが、その戦闘力は監督にして「ソー並、水の近くならハルク並」と言わしめるほど。本作では、自らの王国を守るためにワカンダに攻め入るという筋書きだ。

ネイモアは原作コミックでは「イルミナティ」と呼ばれるスーパーヒーロー秘密結社のメンバーである。基本的なメンバーは、『ファンタスティック・フォー』のミスター・ファンタスティック、『X-MEN』のプロフェッサーX、ドクター・ストレンジ、アイアンマン、「インヒューマンズ」のブラックボルトだ。既に亡くなったトニー・スタークもいるが、この編成を見れば、今後のMCUでもすこぶる重要なヒーローたちが集まっていることがわかるだろう。さらに「イルミナティ」といえば『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でも大胆な伏線が設置済みである。

「イルミナティ」とはアベンジャーズのように一緒に戦うチームではなく、ユニバースにとって重要な出来事について、各界の代表が協議する集まりのこと(ネイモアは海洋世界の代表者だ)。彼らの決議が、「ワールド・ウォー・ハルク」などの重要な事件につながっていく。そのメンバーに加わるネイモアが、今後のMCUでキーマンになることはほぼ間違いない。

本作のネイモアは前作のキルモンガー同様、純粋悪のヴィランではなく、立場が異なるだけの「アンチヒーロー」でもある。今後の作品にもネイモアが登場するのなら、善悪どちらにも転びうるワイルドカードになるだろう。本作ではMCU版ネイモアの背景もきちんと描かれる。これをしっかり理解しておくことが、今後の作品を読み解くヒントになるはずだ。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューさせていただきました。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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