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『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』チャドウィック生前、「ティ・チャラ存命」時のあらすじが明らかに

ブラックパンサー
『ブラックパンサー』 ディズニープラスで配信中 (C)2022 MARVEL

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は、クリエイティブ面でも、そして調和に生きる人間としても、非常に難しい局面を経てやっと誕生した作品だ。前作主演のティ・チャラ役チャドウィック・ボーズマンが2020年に急逝。製作陣は、ボーズマンの代役やデジタル蘇生を検討することなく、しかし彼が演じた英雄“ブラックパンサー”の名を冠したまま、この続編を作り上げた。

ボーズマンの他界を受けて、予め準備されていた脚本は大々的な書き直しを行うこととなった。彼の生前、ティ・チャラがまだ存在する『ブラックパンサー』続編はどのような内容だったのだろうか。米Inverseでは、監督のライアン・クーグラーがその概要を明かしている。

既に米プレミアでお披露目された『ワカンダ・フォーエバー』は、「シリアス」「追悼を感じる」「エモーショナルでダーク」などと評される。劇中でも亡くなった設定となるティ・チャラを弔う、ややヘヴィな作風になっているようだ。

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
© 2022 MARVEL.

しかしクーグラーの言葉によると、これはチャドウィックの存在にかかわらないものらしい。「トーンの変更で言うと、キャスティングよりも少なかったと思います」「似たようなトーンになっていました」と話している。

もしもチャドウィックが存命だったら……。もともとの続編の概要は、ティ・チャラが「5年間の不在の後に戻ってきて、失われた時間を悲しむことになっていた」という。

「彼は、5年間も不在にしていたことで、多くのことに責任を感じる。それが本作の元々の題材でした。ティ・チャラが、取り戻せない時間に対して悲観に暮れている。悲しみが、作品の大部分になっていました」。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)でのサノスの“指パッチン”によって、ティ・チャラは「こんなところで死ぬな」と言い残して消えた。5年後を描く『エンドゲーム』(2019)で復活したが、我々がティ・チャラと会ったのはトニー・スタークの葬儀が最後となっていた。

当初の案では、『エンドゲーム』以降としては初めて、“消滅”当事者がその影響にシリアスな形で対面する物語になっていたことだろう。ティ・チャラはワカンダの国王として、不在の間に生じたであろう政治的混乱にも対処しなければならなかったかもしれない。5年の間に暫定的に確立された新たな統治体制との衝突も描くことができただろう。

なお、『ワカンダ・フォーエバー』では、海底文化タロカンの王ネイモアがヴィランとして登場する。この案は、ボーズマンの生前から変わっていないそうだ。「(ネイモアは)もともと敵対者の予定でした。他のキャラクターも検討されましたけど、常にネイモアでしたよ」とクーグラーは認めている。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は2022年11月11日、日米同時公開。

Source:Inverse

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。