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『ブレイド』MCU版、主演マハーシャラ・アリは「夢のキャスティング」 ─ マーベル社長、再映画化の理由を明かす

マハーシャラ・アリ
THE OSCARS(r) - The 89th Oscars(r) broadcasts live on Oscar(r) SUNDAY, FEBRUARY 26, 2017, on the ABC Television Network. (ABC/Adam Rose) MAHERSHALA ALI

2019年7月、ポップカルチャーの祭典「サンディエゴ・コミコン(Comic-Con International: San Diego 2019)」最大のサプライズは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)にて『ブレイド』が再映画化されることが発表されたことだろう。主演は『ムーンライト』(2016)『グリーンブック』(2018)で2度のアカデミー賞に輝くマハーシャラ・アリだ。

人間とヴァンパイアのハーフである黒人ヴァンパイアハンターの戦いを描いた『ブレイド』は、コミックの世界で人気を博し、1998~2004年にはウェズリー・スナイプス主演で実写映画3作が公開されていた。満を持してのスクリーン復帰となるわけだが、なぜマーベル・スタジオは、今このタイミングで『ブレイド』を甦らせることにしたのか

IGNにて、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長はその理由を「マハーシャラがいるから。マハーシャラは『ブレイド』が大好きだから」だと述べた。米Fandangoでは、そんなコメントの真意がより丁寧に明かされている。

長い間、ブレイドの新たな形を探し続けてきました。私たちはブレイドというキャラクターも、作品の世界も大好きですから。『ドクター・ストレンジ』(2016)で超自然的な要素をMCUに取り入れ、そういう方向性を探り始めることができました。マハーシャラが(MCUに)参加したい、私たちに会いたいというのでミーティングの場を持ったんです。彼は(『グリーンブック』で)2度目のアカデミー賞を手にしたばかりでした。丁寧にお話しをしていたら、彼は(MCU)のファンだと言うんですよ。直球で“『ブレイド』をやりたい”と。イエス、と答えました。」

すなわち、『ブレイド』の再映画化はマハーシャラ・アリたっての希望によって、彼という俳優ありきで実現したものなのだ。米Varietyにて、ケヴィン社長は「夢のキャスティング」とも言っているのである。

「彼(マハーシャラ)は完璧なブレイドですよ。現在もっとも素晴らしい俳優の一人ですからね。彼はユニバースやブレイドの大ファンですし、役柄をしっかり演じきってくれるでしょう。夢のキャスティングですよね。本当に実現できるなんて、ほとんど誰も思っていなかった。だけど何度かお会いして、すぐに“やろう”と決めたんです。」

なおMCU版『ブレイド』はマハーシャラが主演を務めることだけが発表されており、公開日などは不明。「フェイズ4」には含まれず、その後の「フェイズ5」以降での登場となる予定だ。ただし、ケヴィン社長のコメントにはヒントのような言葉が隠れてもいる。MCUにおいては、『ドクター・ストレンジ』が『ブレイド』に通じる超自然的な要素の始まりになったというのだ。フェイズ4の後半戦には『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness)』も控えているが、この作品が『ブレイド』に繋がる可能性もあるか…?

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Sources: IGN, Fandango, Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。