「マンダロリアン」には、若い頃に観たかったボバ・フェットの活躍を投影したとジョン・ファヴローが振り返る
『スター・ウォーズ』初の実写ドラマシリーズ「マンダロリアン」は、人気キャラクターのボバ・フェットに求めた理想像を体現したような側面もあったようだ。
「マンダロリアン」は、惑星マンダロアの民(=マンダロリアン)であるマンドーの孤独な旅を描く物語。一方ボバ・フェットは『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)を中心に登場した賞金稼ぎだ。ジェットパックやリストロケットなど多彩なガジェットを装備したクールな佇まいで観客の期待を煽ったが、劇中では大きな見せ場もなく、“ジェットパックの誤作動”という不運によって、惑星タトゥイーンでサルラックに呑まれて退場した。ボバはマンダロリアンと同じアーマーを着ているが、これは見せかけで実際にはマンダロリアンではない。
「マンダロリアン」製作総指揮のジョン・ファヴローはオンラインで開催されたイベントATX TVで「みんなボバ・フェットが大好きだけど、出番が足りなかったですよね」と振り返り、「マンダロリアン」については「僕たちが若い頃に観たかったもの(=ボバ・フェットの活躍)の期待に応えてくれる誰かを求めていた」と紹介した。
ファヴローはここで、ボバ・フェットを「unceremonious(ぶっきらぼうな、不作法な)」と表現しているが、このキャラクター性はマンドーに受け継がれているだろう。ペドロ・パスカルが演じたマンドーは一匹狼で、口数も少なく、少なくとも礼儀正しい世界の住人ではない。ボバ・フェットが『帝国の逆襲』の僅かな出番で見せたあの無骨な魅力が、『マンダロリアン』では全編にわたって堪能できるのだ。
そんなボバ・フェットも、「マンダロリアン」シーズン2にまさかの登場を果たすことが分かっている。『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)で、ボバのクローンのオリジナル体であるジャンゴ・フェット役を務めたテムエラ・モリソンが演じる。「小さな役割」での登場とのことだが、ファヴローら製作陣が観たかったボバの活躍が、満を持して描かれるのかもしれない。物語の時系列としては、サルラックに呑まれた後の登場ということになるから、ボバがいかにしてあの砂漠の大穴から生還できたかも気になるところだ。
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