Menu
(0)

Search

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ふたりのボンドガール、新情報が判明 ─ 女優アナ・デ・アルマス&ラシャーナ・リンチが語る

BOND 25(仮題)

『007』シリーズの第25作、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に登場する新たなボンドガール2名について新たな情報が明らかになった。

ダニエル・クレイグがおなじみジェームズ・ボンドを演じる本作には、前作『007 スペクター』(2015)のボンドガールであるマドレーヌ・スワン(レア・セドゥ)が再登場。さらに本作には、『ブレードランナー 2049』(2017)のアナ・デ・アルマス、『キャプテン・マーベル』(2019)のラシャーナ・リンチ演じる新たな女性キャラクターが加わる。米The Hollywood Reporterのロングインタビューで、アルマス&リンチは自身の役柄や本作のビジョンを語った。

BOND 25(仮題)

ボンドガールか、ボンドウーマンか

従来、『007』シリーズのヒロインは「ボンドガール」と呼ばれる伝統があった。しかし、ここにきてその伝統にも変化が生まれるのかもしれない。「#MeToo」時代の、しっかりと自立した女性ヒロイン像を確立するともいわれる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に加わったアルマス&リンチを、The Hollywood Reporterは「ボンド・ウィメン(BOND WOMEN)」と紹介している。

監督のキャリー・フクナガ、シリーズのプロデューサーであるバーバラ・ブロッコリ、そしてシリーズ史上2人目の女性脚本家フィービー・ウォーラー=ブリッジは、アルマス&リンチとともに『007』ヒロイン像の革新を図ったようだ。アルマスは本作について「明らかに進化しています」と宣言。「ラシャーナは主要人物の一人で、パンツを履いています。私はガウンを着て、彼女はパンツを履いてる」とコメントした。「(シリーズの)女性たちはセクシャライズされてきました。いつも危険な目に遭って、ボンドに助けられるのを待っている、ステレオタイプな女性だったんです」

アルマスはキューバ生まれ、リンチはジャマイカ人の両親をもつロンドン出身。2人のバックボーンは、本作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも深く関係しているようだ。なにせ本作は、キューバとジャマイカが物語の舞台になっているのである。フクナガ監督はアルマスにオファーの電話をかけた際、キューバが舞台となること、アルマスのために執筆したい内容があることを伝えたという。

パロマ(アナ・デ・アルマス)

BOND 25(仮題)
Jon Kopaloff/Getty Images

ライアン・ジョンソン監督作品『Knives Out』、ベン・アフレックと共演するスリラー『Deep Water』、ハリウッドのセックス・シンボルだったマリリン・モンローを演じる『Monroe』(すべて原題)など、話題作への出演が続くアルマスが演じているのは、パロマ(Paloma)という名前の女性。謎に包まれた役柄について、アルマスは「どこまで言っていいのか分からない」と話している。

パロマは本当にいい加減なキャラクターなんです。ミッションの最中もワクワクしていて、ものすごく陽気。だけど謎めいたところがあって、ボンドのパートナーとして鍛えられているのか、準備ができているのかが分からないんです。頭脳も見た目も等しく優れていて、彼女はとてもスマート。ボンドが一人ではできないようなことを、彼女が導いていくこともあります。」

ちなみにアルマスいわく、パロマはゴージャスなガウンを羽織り、高いヒールを履いて走り回るキャラクター。陽気ながら不安を抱えてもおり、「やるべきことをやる時には成功させる」能力も持っているという。「彼女は変化していきます。ただ存在するだけじゃなくて、変わっていくんです。彼女には目的もあります」。その素性と目的は、本編を観て確かめることにしよう。

ノミ(ラシャーナ・リンチ)

BOND 25(仮題)
Jasonbellphoto

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』において、これまで最も世界を騒がせたのが、リンチ演じるイギリス人エージェントのノミだ。本作の冒頭でジェームズ・ボンドは「007」を引退しており、代わりにノミがその座を担っていると報じられたのである。この、“黒人女性が「007」を継ぐ”という報道の真相は謎のまま。リンチ自身は肯定も否定もしなかったという。

リンチいわく、ノミは「ボンド映画に新たな視野をもたらす、新しい黒人女性」。フクナガ監督と脚本家のブリッジ、リンチの3人が大切にしたのは、リアルな女性キャラクターを造形することだったという。

「都合のいいキャラクターにはしたくありませんでした。粗削りで、過去があり、歴史があって、体重を気にしていて、もしかするとボーイフレンドとの間に問題があるのかもしれない、そんな人物にしたかったんです。」

実際のところ、リンチが求めていたのは、映画に登場してくる以前から人間としての課題を抱えているキャラクター。「できるかぎり人間として掘り下げられる余地を作りたかった」という思いに応えて、脚本家&監督チームもノミという人物に繊細に取り組んだという。

映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は2020年4月全国ロードショー

あわせて読みたい

Source: THR

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。