『ジェイソン・ボーン』新作が前進、映画化権をユニバーサルが再獲得 ─ 脚本完成、『教皇選挙』監督が手がける

マット・デイモン主演の人気スパイ・スリラー『ボーン』シリーズの権利を、ユニバーサル・ピクチャーズが再獲得したことがわかった。米Varietyなどが報じている。
『ボーン』シリーズは作家ロバート・ラドラムのスパイ小説に基づくシリーズで、『ボーン・アイデンティティー』(2002)から『ジェイソン・ボーン』(2016)まで計5作が製作された。うち4作品ではマット・デイモンが主演を務め、キャストを一新した第4作『ボーン・レガシー』(2012)ではジェレミー・レナーが主演。硬派な作風とリアルなアクションで人気を博した。
2025年3月、ユニバーサルは『ボーン』シリーズの権利を喪失し、ラドラムの遺産管理団体が新たな製作・配給元を求めて権利の販売を開始していた。今回の報道によると、大手スタジオやストリーミング企業などから7件のオファーがあったのち、ユニバーサルが億ドル単位の条件を提案し、再び契約がまとまったという。
今回の契約により、ユニバーサルはラドラムによる小説『ボーン』シリーズのほか、同じくユニバーサルがドラマシリーズを製作した「トレッドストーン」シリーズの全権利(出版権を除く)を永久に保有。これによって、映画版『ボーン』シリーズのプロデューサーであるフランク・マーシャルが引き続き新作の開発に携わる。
ユニバーサルは2019年ごろから『ボーン』シリーズの新作映画を検討しており、2023年には『教皇選挙』(2024)のエドワード・バーガー監督が就任し、マット・デイモンの復帰を模索していた。報道によると、現時点では「ラザロ・プロジェクト 時を戻せ、世界を救え!」(2022-)「Giri / Haji」(2019)のジョー・バートンによる脚本が完成しているが、スタジオのゴーサインは出ていないという。
発表にあたり、ユニバーサル・ピクチャーズのピーター・クレイマー会長は「2002年以来、『ボーン』シリーズは映画的アクションの新たな基準を打ち立て、画期的な作品の数々でスパイ・ジャンルを再構築してきました。世界中の観客にエキサイティングな新しいストーリーをお届けし、『ボーン』ユニバースを未来へ拡張していくことに意欲を燃やしています」との声明を発表した。
また、ラドラム作品の権利を統括するCaptive Entertainmentのジェフリー・ワイナー会長は、「『ボーン』シリーズがユニバーサルに残ることを心からうれしく思います。ユニバーサルのチームと協力し、多様なプラットフォームで『ボーン』シリーズを拡大できることを楽しみにしています」とコメント。Captiveからはワイナー会長とベン・スミスが引き続き映画版に携わる。
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