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ジョン・ボイエガ、『スター・ウォーズ』出演時の苛立ちを吐露「ディズニーに言いたいこと」

ジョン・ボイエガ John Boyega

『スター・ウォーズ』続3部作のフィン役で知られるジョン・ボイエガが、この一大フランチャイズへの出演を通じて体験することとなった人種問題および業界の問題点、やり場のない思いについて、米GQに生々しく告白している。黒人キャラクターの扱いや、レイ役デイジー・リドリーやカイロ・レン役アダム・ドライバーといった白人系キャストとの違いに苛立っていたことがあったというのだ。

GQのロングインタビュー記事でボイエガは「深いため息をついた」。続く発言は「プロジェクトに関わることになっても、その全てを好きになるという必要性はない」というもので、「僕がディズニーに言いたいのは」と吐露している。

「黒人キャラクターを、シリーズで必要以上に大々的に売り出しておいて、それなのに脇に追いやる。そんなことはしないで欲しい。良くない。ハッキリ言わせてもらいますけど。」

ボイエガが演じたフィンは、『フォースの覚醒』でレイやポー・ダメロン、あるいはカイロ・レンといったキャラクターと共に、新サーガにおける中心人物のひとりとして誕生。敵のストームトルーパー出身であるという背景や、初の黒人メインキャストとして様々な注目を浴びた。『フォースの覚醒』では活躍の場面も多く、ライトセーバーを握って闘うなど、主人公格として申し分ない処遇だった。物語次第では、フィンがジェダイになったり、ライトセーバーの本格的な使い手になったりといった展開も十分あり得ただろう。

ところが、続編の『最後のジェダイ』(2017)や『スカイウォーカーの夜明け』(2019)になると、1作目に比べて出番や重要度が減った。物語は、デイジー・リドリーが演じるレイと、アダム・ドライバーが演じるカイロ・レンの関係性に比重を置くようになったのだ。

ボイエガは、ナオミ・アッキー(『スカイウォーカーの夜明け』に登場した黒人キャスト)、ケリー・マリー・トラン(ローズ役。ベトナム系キャスト)、そしてグアテマラ系であるオスカー・アイザック(ポー・ダメロン役)でさえ、有色人種として自分と同じ苦悩を抱いていたのではないかと語り、『最後のジェダイ』で見られた「キャラクターのヒエラルキーの置き直し」は受け入れがたいものがあったと認める。その心として「デイジー・リドリーでやることは分かってたし、アダム・ドライバーでやることも分かっていた」、「でもケリー・マリー・トランとかジョン・ボイエガとかになると、f**kでしょ」と言葉を選ばない。

僕に何を言えって?どうせ、“参加できて楽しかったです。とても素晴らしい経験で……”とかなんとか、そんなとこでしょ。実際に素晴らしい経験だったなら、僕だってそりゃそう言いますよ。アダム・ドライバーにはそういうニュアンスを与えて、デイジー・リドリーにもそういうニュアンスを与えていて。正直言いますよ。デイジーも分かってたんです。アダムも分かってたんです。みんな分かってたんです。別に、何かを晒しているわけではないです。」

GQの記事は「彼の主なモチベーションは、永遠に変わらないシステムの中でやっていくフラストレーションや難しさを伝えること。彼は、少年時代からの夢が、この世界の毒された現実に断裂されるのがどんな心地かを、本気であなたに伝えようとしている」と迫る。

ボイエガは「僕は(『スター・ウォーズ』)シリーズで唯一、人種に基づく経験をしたキャスト」と称して、「そういうプロセスでは怒りたくもなるし、闘争的にもなる。自分が変わるんですよ」と続ける。「“チャンスを与えられたのはいいけど、僕への準備が出来てない業界に居るんだな”って気づくからです。僕以外の他のキャストは、“お前が出てるから観に行かない”なんて言われない。僕以外のキャストは、炎上したり、InstagramやSNSのDM(ダイレクトメッセージ)で殺害予告を受けたりしない。“これも黒人、あれも黒人、お前はストームトルーパーになるな”って。他の人はそんな経験をしない。でも、僕がこんな経験をしていることに、未だに世間は驚くでしょう。それがフラストレーションなんです」。

2020年6月には、「Black Lives Matter」抗議のため、ロンドン・ハイド・パークで涙を流しながらスピーチした姿が話題となった。これは事前に計画していたものではなく突発的なものだったと強調し、「時には感情的になることも必要」と話している。

ボイエガは2017年以降セラピーを受けているといい、今では気持ちの折り合いがついている状態だと記されている。

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Source:GQ

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THE RIVER編集部THE RIVER

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