『ブラックパンサー』はアカデミー賞を狙うか? マーベル社長が初めてコメントを発表

マーベル・シネマティック・ユニバース作品『ブラックパンサー』(2018)は、クリストファー・ノーラン監督作品『ダークナイト』(2008)に並んで、史上もっともアカデミー賞に近いヒーロー映画だといっていいだろう。

米国でヒーロー映画の歴史を変える大ヒットを果たし、まもなく国内興収7億ドルを突破する(2018年7月2日現在)のみならず、有名批評サイトRotten Tomatoesでは97%フレッシュ、あらゆるレビューを集積して数値化するMetacriticではスコア88という驚くべき高評価を獲得(同日時点)。もはや完全なる社会現象となった本作は、すでに2018年のMTVムービー&TVアワードで4部門、サターン賞で5部門を制覇している。

『ブラックパンサー』が選考対象となる第91回アカデミー賞は2019年2月24日(米国時間)に授賞式が開催される予定。まだまだ先の話だが、マーベル・スタジオはオスカー獲得に向けて本作のキャンペーンを行うことになるのだろうか? 米Vox誌の質問に対して、ケヴィン・ファイギ社長が初めてアカデミー賞に関するコメントを述べた。

「このジャンルが認められるところを見たい」

ケヴィン社長といえば、ファンに対するサービス精神が旺盛な一方、実は自らの発言にきわめて慎重な人物であることで知られている。『ブラックパンサー』とアカデミー賞についても、その慎重さを崩すことはなかった。しかしそこには、マーベル・シネマティック・ユニバースを牽引する者、ひいてはハリウッドにおけるヒーロー映画の隆盛を生み出した一人としての矜持が見え隠れしている。

「多くの素晴らしいアーティストが、あの映画(『ブラックパンサー』)を生み出す手助けをしてくれました。彼らが認められるならば、それは素晴らしいことだと思います。作品に関わったほぼ全員が最高の人々だったので、それが認められるのは最高ですね。このジャンルでは、基本的には難しいことなんですが。[中略]
あの作品には、最高の演技と最高の芸術性があります。それらが認められるところ、このジャンルが認められるところを見てみたい。CGがあって、大爆発があって、宇宙船が出てくる映画ですが、それらはすべて手作りです。コンピュータの前で、時には実物のセットで、また手縫いの衣裳で。それぞれの仕事に情熱と芸術性、才能が詰まっている。それらが認められれば最高ですよ。」

 

ちなみにケヴィン社長はコメントの中で、脚本・監督のライアン・クーグラーや共同脚本のジョー・ロバート・コールをはじめ、美術のハナー・ビーチラー、衣裳デザイナーのルース・カーター、出演者のチャドウィック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン、ルピタ・ニョンゴ、レティーシャ・ライトの名前を挙げている。

おそらく確かなのは、マーベル・スタジオが『ブラックパンサー』の賞レース参戦になんらかの熱意を抱いているということだ。オスカー獲得にはハリウッドの大手スタジオ各社が多額の資金を投入してキャンペーンを繰り広げるが、ディズニーは本作を2018年の“顔”として据える可能性もあるだろう。2019年の冬が終わるころ、もしかするとヒーロー映画の世界に革命が起こることになるかもしれない。

映画『ブラックパンサー』MovieNEXは2018年7月4日発売

Source: Vox
©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

About the author

THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくお伝えしたいと思っています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp へ。

JOIN THE DISCUSSION

※承認されたコメントのみ掲載されます。