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マーベル『ブラックパンサー』主人公ティ・チャラ、『シビル・ウォー』からどう変わった?単独映画は若き国王の「個人的な物語」に

ブラックパンサー
Black Panther (2018) Directed by Ryan Coogler ©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

マーベル・シネマティック・ユニバースの最新作、映画ブラックパンサーの主人公ティ・チャラは、アフリカ大陸にあるワカンダ王国の若き「国王」だ。
ワカンダはキャプテン・アメリカの盾にも使用されている金属・ヴィブラニウムの産出国であり、高い技術力を誇りながら、諸外国にはその特徴を伏せているという特徴を持つ。ティ・チャラ/ブラックパンサーを主人公とする初めての単独映画である本作は、彼が国内外の脅威から自国をいかに守るのか、という点がストーリーの大きなポイントとなるわけだ。

そんなティ・チャラは、あのスパイダーマンとともに、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)に初登場したキャラクターだ。父ティ・チャカをテロによって失った彼は、その犯人を探して復讐を果たすという執念にとらわれた、いうなれば“ダークヒーロー”的な側面が強調されていたのである。
では、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を経て、彼はどのように変わったのか? そして単独映画『ブラックパンサー』は、いかなる経緯を経て構想されたのか? ライアン・クーグラー監督や主演のチャドウィック・ボーズマンら、キャスト・スタッフの証言とともに振り返っていくことにしよう。

なぜティ・チャラは『シビル・ウォー』が初登場だったのか

ティ・チャラにとって最大の悲劇は、ヒーローたちを国連の管理下に置くという「ソコヴィア協定」の署名式で起こった。突如起こった爆破テロによって、演説中だった父親ティ・チャカが死亡。容疑者となったバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーをめぐって、彼はチーム・アイアンマンの一員としてキャプテン・アメリカらと真っ向から対立するのである。
『ブラックパンサー』で主演を務めるチャドウィック・ボーズマンは、『シビル・ウォー』での初登場について、英Total Film誌にてこのように語っている。

「(ティ・チャラの)ある側面を『シビル・ウォー』で掘り下げてみて、それがうまくいくかを確かめるのは素晴らしいと思いましたよ。でも、プレッシャーはすごかったですね。だって、もう演じられなくなるのはイヤだったから。わかりますよね……?」

多くのヒーローがオリジン・ストーリーで初登場を飾るのとは違い、ブラックパンサーは、その一面のみを先に紹介される形でお披露目となった。単独映画を前提とする初登場ではあったわけだが、これは観客側からもスタジオ側からも、ヒーローとしてのポテンシャルや人気を値踏みされる機会でもあったのだ。

『ブラックパンサー』のプロデューサーであるネイト・ムーア氏は、そもそも単独映画の第一作をオリジン・ストーリーとして構想していた時期があったことを、英Empire誌のポッドキャストにて明かしている。

「2010年に単独映画の企画を、素晴らしい脚本家(編注:共同脚本のジョー・ロバート・コール)と一緒に始めました。それからすぐに、オリジン・ストーリーの落とし穴にハマったことに気づいたんです。つまり、どこかで知っているような構造で、求めていたものほどワクワクしなかったんですよね。そこで(企画が)しばらく保留になりました。その後、『シビル・ウォー』を企画している時に、(オリジン・ストーリーとは)別の形でブラックパンサーを登場させる機会だと思ったんです。」

チャドウィックの不安をよそに、『シビル・ウォー』のブラックパンサーは大きな好評を得る。『ブラックパンサー』のライアン・クーグラー監督も、マーベルとの契約以前に『シビル・ウォー』を観たことが刺激になったと語っているのだ。
ネイト氏は、『シビル・ウォー』での初登場がブラックパンサーというキャラクターにとって非常に良かったことを強調している。

「(『シビル・ウォー』は)キャラクターにとって最高の出発点になりましたし、単独映画でオリジン・ストーリーの落とし穴を回避し、クールなストーリーを描くことを実現してもくれました。」

『ブラックパンサー』では“等身大の国王”に

映画『ブラックパンサー』のメガホンを取ることは、ライアン監督にとって「挑戦だった」という。主人公のキャスティングや、キャラクター造形の初期段階に自分自身が携われないことは、作り手としてそれだけ高いハードルなのだ。
それでも、前述の通り、監督は『シビル・ウォー』を観て、またチャドウィックやマーベル・スタジオ側との話し合いを経て、『ブラックパンサー』を手がけることを決意している。脚本の執筆も担当した彼は、ティ・チャラ/ブラックパンサーというキャラクターを、いかに『シビル・ウォー』から変化させたのだろうか。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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