【ネタバレ】『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』最大のサプライズ、脚本家が解説

この記事には、映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のネタバレが含まれています。

エリック・キルモンガーの帰還
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』最大のサプライズは、映画の後半、ティ・チャラの妹であるシュリがブラックパンサーを継承した直後に起こる。前作『ブラックパンサー』(2018)でハート型ハーブを焼き払われたことにより、ティ・チャラは命を落とした。ハーブを人工で再現できなかったことを悔やんでいたシュリだったが、タロカンから持ち帰った植物と兄のDNAにより、とうとうハーブの復元に成功する。
タロカンを率いるネイモアによって、ティ・チャラとシュリの母親であるラモンダは命を落とした。シュリは復讐心に駆り立てられながら、ブラックパンサーの継承を決め、神秘のハーブを飲む。シュリの意識は“祖先の草原”(原語ではAncestral Plane=祖先の次元)に送られるが、そこで彼女を待っていたのは母親でも兄でも、まして父親でもなく、前作でワカンダを乗っ取ろうとしたエリック・キルモンガーだったのだ。
王座に腰掛けたキルモンガーは、薄笑いを浮かべながらシュリに語りかける。シュリには、なぜキルモンガーが自分の前に現れたのかわからなかった。しかしそれは、シュリが──以前のキルモンガーと同じく──復讐心に取りつかれていたからだ。キルモンガーは主張する。おそらく父のティ・チャカなら、かつて自分の弟=キルモンガーの父親を殺したように、ネイモアの要求通りにリリ・ウィリアムズを殺しただろうと。しかし亡き兄のティ・チャラは、父を殺したヘルムート・ジモさえ赦した。
ティ・チャラは王座に就くには高潔すぎた、とキルモンガーは言う。しかし、自らは目的を達すべく行動したと。そして、シュリに問うのだ。「お前はティ・チャラのように高潔なのか、それとも俺のように決めたことをやり通すのか」。シュリは目覚めた時、復讐のためネイモアを殺すことを心に決めていた。祖先の平原で誰に出会ったのかは、周囲には秘密にしておいた。

本作でエリック・キルモンガー役を演じたのは、もちろん前作に続いてマイケル・B・ジョーダン。事前の告知が一切ない、サプライズでのカメオ出演となった。米Entertainment Tonightでは、「家族にも嘘をつかなければいけなかった」と出演をまったくの秘密にしていたことを認め、「マーベルは家族にも嘘をつかせるんですよ、信じられない!」と冗談を飛ばしている。
では、キルモンガーのサプライズ登場はいかにして着想されたのか。共同脚本のジョー・ロバート・コールが、その裏側を語った。
この記事には、映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のネタバレが含まれています。