【ネタバレ】『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』冒頭シーンの衝撃について

この記事には、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』冒頭のネタバレのネタバレが含まれています。

亡くなったチャドウィック・ボーズマンについて、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』はどう向き合うのか……。本作は、映画の幕開けからその回答を示すこととなった。
ティ・チャラは危篤状態にあり、妹のシュリは己の持つ知能と技術の限りを尽くして治療にあたる。オープニングのセリフで、シュリは“神バースト”に兄を救うよう祈る。「もう疑うことはしませんから」と。バーストとはワカンダに伝承される神のことだ。前作『ブラックパンサー』(2018)のオープニングでも、初代ブラックパンサーを導き、ハート形のハーブをもたらしたのがバーストであると説明された。シュリは伝統を嫌う少女であり、神話も信用しなかっただろう。そのシュリが、神にもすがった。
しかし、現実は過酷で、映画という虚構は、その現実に従うしかなかった。チャドウィック・ボーズマンは亡くなった。劇中では、ここで母ラモンダが現れて、「兄は今、ご先祖様と一緒にいるのよ」と告げる。シュリは受け止められない。いやだ。首を横に振って、後ずさる。
何も取り返してくれない風が吹いて、マーベル・スタジオのオープニングロゴが登場する。いつもなら、あのワクワクする雄大なファンファーレが鳴り響く。『ワカンダ・フォーエバー』では、ティ・チャラ役チャドウィック・ボーズマンに敬意を払い、故人の劇中姿をロゴ内にあしらった。優しい笑顔や、勇ましい姿、胸を熱くしたあのドラマやあの戦いを、走馬灯のように映し出す。
マーベル・スタジオがロゴムービーを追悼に使用したのは、2019年の『キャプテン・マーベル』でスタン・リーを偲んで以来となる。同作ではファンファーレを流し、「THANK YOU STAN」とアップリフティングに送り出したが、『ワカンダ・フォーエバー』の喪失感は前例がないものだ。
海外ファンも続々と反応した。欧米圏では日本ほど上映中の私語や発声に厳格ではないとされるが、SNSでは次のような報告があがっている。「あんなに静かな劇場は初めて体験した」「自分が観た回の劇場は、オープニングのマーベル・スタジオのロゴで完全に静まり返っていた」「満員の劇場があんなに静まったのは人生初めて。自分の心臓の鼓動がハッキリ聞こえたくらい」。また、「オープニングロゴで号泣するなんて初めてだよ」といった声もある。
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は上映中。
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