【解説】『ブレードランナー 2049』ジョイのシーンに滲み出た執念 ─ 監督が意図した「動き」とは

「2人の女性の存在を同時に感じながら、時にはまるで3人目の女性がいるかのようにも感じられる。そんなアイデアに夢中でしたね。」
また、こうして緻密に設計されたシーンの作り方は『ブレードランナー 2049』という作品全体にも通じる部分があるようだ。ヴィルヌーヴ監督は「目や手の動かし方は、その身ぶりが小さいほど、シーンがよりエロティックかつパワフルになると思うんです」と述べて、自身の演出術の一端をうかがわせる。
ちなみにかくも徹底して生み出されたKとジョイ、マリエッティによるラブシーンは、監督自身によって事前のプロモーションでは“口外禁止”とされた場面だった。ヴィルヌーヴ監督は「観客が(批評家と同じように)先入観なく映画を体験できるのが最高」だと述べて、こうしたプロモーション方法への理解を求めている。
たしかに『ブレードランナー 2049』には、事前にまったく知らされなかったからこそ観客の胸によりダイレクトに響くような場面が少なからずあっただろう。映像や演出のインパクトだけが先に届いてしまえば、いざ本編を観る時に、その内奥にあるものが見えづらくなることもあるはずだ。さて、あなたはKとジョイ、マリエッティの表情や動きに、いったい何を観ただろうか?
映画『ブレードランナー 2049』は2017年10月27日より全国の映画館にて公開中。
Source: http://www.vulture.com/2017/10/blade-runner-2049-threesome-sex-scene-how-did-they-make-it.html
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