Menu
(0)

Search

『ブラック・ウィドウ』公開再延期の可能性、マーベル社長は「祈ってほしい」 ─ 『007』『ワイルド・スピード』最新作も

ブラック・ウィドウ
(c)Marvel Studios 2021

2020年から2021年に公開延期となった大作映画は、果たして予定通りに公開できるのか。新型コロナウイルスの脅威が世界的に再び高まる中、春公開予定の『ブラック・ウィドウ』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が再度延期される可能性が指摘されている。米Varietyが報じた。

コロナ禍を受けて、ハリウッドは映画の発表方法に工夫を凝らしてきた。米ワーナー・ブラザースは『TENET テネット』(2020)の劇場公開に踏み切り、『ワンダーウーマン 1984』(2020)からは劇場と配信の同時公開を採用。ディズニーをはじめとする複数の大手スタジオは、少なくない作品の劇場公開を断念し、自社サービスやNetflixなどでの配信リリースに切り替えてきた。アメリカの映画館は約65%が閉館状態であり、ワクチンの普及にはまだ時間がかかる。

そんな中、2021年4月には『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、5月には『ブラック・ウィドウ』『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』『ゴジラ VS コング(原題)』『フリー・ガイ』などの公開が予定されている。しかし、中規模作品なら配信への切り替えで対応できる可能性もあるが、『007』『ブラック・ウィドウ』『ワイルド・スピード』といった高予算映画は世界での興行収入に依存するところも大きく、配信ではほとんど利益につながらない。

今回の報道では、新型コロナウイルスをめぐる状況が2021年2月ごろに改善されない場合、春の大作映画は再び公開延期を余儀なくされると予測されている。ディズニーは『ラーヤと龍の王国』を3月5日に映画館&ディズニープラス プレミア アクセスで同時公開するが、『ブラック・ウィドウ』も同じ道を進むとの噂もあるという。関係者はこの噂を否定しているが、ディズニー/ピクサー最新作『ソウルフル・ワールド』について、同様の噂が否定されたのち、結果的にはディズニープラスでの配信となったことも記憶に新しい。コロナ禍においては、いかなる見通しも立てるに立てられないのだ。

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、米Comicbook.comにて『ブラック・ウィドウ』を予定通りに公開できるのかと尋ねられ、「誰にも何もわからない以上、自信に意味はありません。[中略]一年の延期で十分であることを祈ってください。ワクチンもありますし、私もそうであることを祈ります」と話した。「広報チームには絶対の信頼がありますが、パンデミックと向き合う以上、公開時期に自信はありません」。

すでにソニー・ピクチャーズは、『スパイダーマン』シリーズの新作映画『モービウス』の米国公開を2021年3月19日から10月8日へ延期することを決定した。同じく3月には『キングスマン:ファースト・エージェント』の日米同時公開も控えているが、予定通りの公開が実現するかは不透明だ。Varietyは「今後数週間で宣伝が始まらなければ再度の公開延期」と見ているほか、大手ストリーミングサービスがディズニー/20世紀スタジオから配信権を購入しようとしているという噂も報じている。しかし、これが事実として、ディズニーが『キングスマン』最新作を手放すことがあるかどうか。

あわせて読みたい

Source: Variety, Comicbook.com

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。