クリント・イーストウッド、『運び屋』ぶりの主演&監督 ─ アル中の母親から少年を誘拐、道中で絆深める

『グラン・トリノ』(2008)『運び屋』(2018)などで知られるクリント・イーストウッドが、新作映画『Cry Macho(原題)』で監督・主演・製作を務めることがわかった。米Deadlineが報じている。
原作は、米出身の作家N・リチャード・ナッシュが1975年に出版した同名小説。舞台は1978年のアメリカ、落ちぶれた調馬師の男が5万ドルを稼ぐべく、かつての上司からある仕事を得る。その仕事とは、メキシコの首都メキシコシティに住む少年をアルコール依存の母親から誘拐し、米テキサスにいる父親の元へ送り届けるというもの。テキサスへの道中、男は予想外の困難に直面しながらも、誘拐した少年との絆を深めていく。
現在、米ワーナー・ブラザースで進行中の本企画は、2011年のカンヌ国際映画祭で最初に伝えられ、アーノルド・シュワルツェネッガーが主演に起用されていた。なお、これ以前にイーストウッドは『Cry Macho』で主演・監督を検討していたというが、1988年の出演作『ダーティハリー5』の為に企画を断念したという。
製作を務めるのは、『ゴッドファーザー』(1972)『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)などのアルバート・S・ラディや、『運び屋』『15時17分、パリ行き』(2018)のジェシカ・マイヤー&ティム・ムーアら。脚本は、『グラン・トリノ』『運び屋』などのニック・シェンクが、原作者のリチャード・ナッシュと共に執筆した。ちなみに、リチャード・ナッシュは2000年に他界している為、脚本が執筆されたのはそれ以前と推測される。
撮影開始時期などの詳細は不明だが、イーストウッドは既に撮影ロケ地の検討に入っているとのこと。2021年冬にも公開されるとの見立てもあるが、スタジオからの公式なゴーサインは出ていないという。
現在90歳のイーストウッドが監督・主演・製作を兼任するのは、2018年の『運び屋』以来。2019年には、アトランタ・オリンピック時に発生した爆発テロを扱った『リチャード・ジュエル』で監督を務めている。
Source: Deadline, Variety, New York Times