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『キャプテン・マーベル』が『ワンダーウーマン』から受けた影響とは ─ 女性主人公だからと言って「異色の作品と感じて欲しくない」

キャプテン・マーベル
© MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータイメージ

映画『キャプテン・マーベル』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初の女性を単独主人公に据えた作品として注目を集めている。同じくアメコミ映画で、DCコミックスを原作とした『ワンダーウーマン』(2017)も、同様の理由で大きな社会的意義を持った。

『キャプテン・マーベル』のマーベル・スタジオは、『ワンダーウーマン』のDCコミックス映画が先駆けて起こした社会現象から大きな刺激を得ていたという。

『ワンダーウーマン』の影響

WONDER WOMAN AND ALL RELATED CHARACTERS AND ELEMENTS ARE TRADEMARKS OF AND (c) DC COMICS. (c) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

Comicbookのインタビューに応じた『キャプテン・マーベル』のエグゼキュティブ・プロデューサー、ジョナサン・シュワルツによると、『ワンダーウーマン』は本作の「重要性について理解する手助けをした」という。

きっかけは、『ワンダーウーマン』を鑑賞した周りの女性から届いた声。シュワルツ曰く、「映画を鑑賞してこんな気持ちになったのは生まれて初めて。心に響いた」と、多くの女性客が胸を打たれていたそうだ。

これまでのヒーロー映画では、女性は”守られる存在”として、男性ヒーローの強さを象徴するため登場することが多かった。そのため、深みのある人物であると共に、強いヒーローであるワンダーウーマンが、自分の信じる道のため戦う姿を観て、格別な思いを抱いたのではないか。シュワルツはこの経験を踏まえ、『キャプテン・マーベル』がどんな意味を持つか知り、「本作を製作できることに対して格別興奮した」と語っている。

「当たり前のことをしているだけ」

また、女性を主人公にしたアメコミ映画というだけで”異色の作品”と捉える人も多いが、シュワルツは違う考えを持っている。「どの映画も、それぞれ違う道を辿っていますからね」と前置きした上で、「他の女性を主人公とした映画と比べて違う作品にするのではなく、すべてのMCU映画と異なったものにしようとしました。でもそれは、我々が製作するどの映画についても同じことです」とコメント。”女性主人公だから”他作品と性質が異なるわけではないと強調した。

本作でキャプテン・マーベルを演じるブリー・ラーソンも以前、米Comicbookにて同様の意見を述べている。

「(他作品と)どう違うかはわかりませんね。正直に言うと、異色の作品だと感じて欲しくないんです。『初の女性ナンタラカンタラ…』とか『男性と同じことを女性もできるかもしれない!驚きの発想!』といった話には、もうウンザリ。このことについて話せば話すほど、(女性主人公は)不可能だという作り話を永続させている気がするんです。そんな固定観念はおかしい。今まで製作されなかったのであれば、間違いだった。ただ不当なだけ。今、私たちは当たり前のことをしているだけです。」

続けて、「自分が何を作るかは関係なくて、アートは楽しまれ解釈されるべきだと心から感じています。あなたが何を得るかは自由です」と語ったブリーからは、「女性主人公=特別」という考えを打破したい決意が感じられた。

映画『キャプテン・マーベル』は2019年3月15日(金)全国ロードショー。意義を理解した上で製作された本作は、「女性主人公は無理」という固定観念をさらに打破してくれるだろう。

公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/captain-marvel.html

Sources: Comicbook (1, 2)

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Marika Hiraoka

THE RIVER編集部。アメリカのあちこちに住んでいました。