【ネタバレ】『キャプテン・アメリカ:BNW』海外ファンの反応まとめ ─ 良かったところと批判ポイント

この記事には、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のネタバレが含まれています。

批評家の前評判 vs 観客
本作は一般公開直前に米プレミア試写とレビュー解禁を実施。批評家による事前の評判は賛否両論で、米Rotten Tomatoesでの批評家スコアは50%台の低評価となった。これは『キャプテン・アメリカ』シリーズとしては最低値で、MCU映画全体としてもワースト3。出口調査に基づくCinemaScoreでもMCU作品ワーストのBマイナス判定を見せており、評判や興収が不安視される材料もあった。
いざ公開を迎えると、Rotten Tomatoesの観客スコアは80%で上々。アメリカでの興行収入は事前の予想を上回って連休中1億ドルのスタートを記録しており、全世界では2億ドル弱の成績を上げている。
海外ファンの間では、「弱点もあるが、酷評されるほどの欠点ではない」と支持する声が多い。もちろん中には全面的に否定する声もあるが、ここでは好意的な意見を中心に見てみよう。

「今日この映画を観てきたけど、かなり気に入った。すごく感動させられるというほどではないにせよ、マッキーやフォードの演技が素晴らしかった。マーベル・コミックを30年以上読んできた人間として、今回はもう一度鑑賞したくなる、まごうことなきスーパーヒーロー映画として良かったと思う。」
「同意する。昨日レビューを読んで期待値が下がっていたのかもしれないけれど、一部の人が言うような悪さはなかった。すごく楽しかった。」
「ドイツから。気に入った。超ヒット大作とはならなくとも、MCUファンはすごく楽しめると思う。現実に根ざしていて、真剣に取り組まれていて、皮肉も多くなく、いくつかの結末があり、サム・ウィルソンのキャップが初登場するシーンもしっかりしている。10億ドル級ヒットにはならないかもしれないが、古き良きMCU映画を観たいなら満足できると思う。」
「プロットが少し薄っぺらく、状況説明的で、流れが平坦で無難すぎるという指摘には同意する。ただ、多くの人が言うように、退屈だとは言わない。確かに、プロットの要求に従ってキャラクターたちがA地点からB地点に移動するだけという感覚や、ぎごちない説明が絶えない瞬間は確かにあった。こういう批判は確かにたくさん見るが、それが本作を駄作にしてしまうほど”深刻”だとは考えなかった。『マーベルズ』でもそう思った。確かに、すごく安牌で単純で、平坦で基本的なところもあるが、だからといって必ずしも映画が”悪い”わけではない。」
「『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』で、みんな“マーベル映画かくあるべき”という気持ちが出来てしまったけど、そもそもマーベル映画はもっと小さなスケールの物語だったということを忘れている。全ての単独映画でヒーローが神と戦わなくてはならないわけではない。自分は良作だと思った。スクリーンで見たハルクの純粋に獰猛な戦闘シーンとしてベストだったよ。」
「正直言って、MCU映画を観てフェーズ4とフェーズ5のつながりを感じたのは今回が初だった。つまり、ついに地中から出現した巨大な手と頭部が扱われるようになったということ。3年以上経ってるから。でも、『シークレット・ウォーズ』や『マーベルズ』の余波はまだ扱われていない。MCUはもう作品間のつながりを気にしないんだろうか?」
オープニングタイトルがない?
MCU作品といえば、雄大なファンファーレと共にヒーローたちの過去の戦いをMARVELロゴに重ねるオープニングタイトルがお馴染みだ。ディズニープラス配信のドラマシリーズやアニメシリーズではこの使用にこだわらなくなっていたが、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』はMCU劇場公開作として初めて、お馴染みのオープニングタイトルを排した作品となった。
「なぜオープニングタイトルがなかったんだろう?他のMCU映画には必ずあったのに、どうして伝統を破ったんだろう?」
「正直、あれで良かったと思う。ペースを崩さず、そのまま本編に入った方が良かったんじゃないか。」
「より独立した状態を維持するためにはグッドアイデアだと思う。」
「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」とのつながり

サム・ウィルソンが盾を受け継ぐ葛藤を乗り越える物語は、ディズニープラス配信のドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で事前にじっくりと描かれた。『ブレイブ・ニュー・ワールド』は、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の実質的シーズン2のようだと感じたファンも少なくない。
「『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』6話分の続編として楽しめたと思う。今度は『キャプテン・アメリカ&ファルコン』ということで。ホアキンが新しい役割のためにトレーニングするエピソードを丸々見てみたい。」
「同じ考えだ。映画としてうまくいっていたとは思うが、方向性としてはシーズン2の方が理にかなっているかも。」
「1000%同意。普段は“このドラマは映画であるべきだった”と思うけど、今回は久しぶりに“ドラマとして見たかった!”と思った。あの素晴らしいテーマ曲も復活させられただろうし。」
「『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』が配信された当時は、ドラマシリーズではなく映画として短縮すべきだという議論が多かったから、面白いね。」
思わぬ『インクレディブル・ハルク』色
『ブレイブ・ニュー・ワールド』では、サディアス・ロスと娘ベティの親子関係が物語の鍵となったり、ブルース・バナーの協力者だったサミュエル・スターンズが悪役として再登場するなど、『インクレディブル・ハルク』(2008)の要素が色濃く扱われた。これまで控え目な存在だったMCU初期作に再びフォーカスが当てられたことに、戸惑いの声もある。
「2008年の映画のことをどうやって覚えておけばいいんだ。ハルクの続編ではなく、キャップの映画として宣伝されていたのに。」
「『インクレディブル・ハルク』から残った未解決事項をまとめよう決めたことは評価するが、あの映画はもう15年以上前の作品だし、公開当時はそこまで人気でもなかった。これだけ時間が経ってから引っ張ってくるにはあまりにも遅すぎる。」
「この映画は多くの点で『インクレディブル・ハルク』の素晴らしい続編。自分はあの映画が大好きなので、これで良いと思っている。」