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トム・ホランド、ドラッグ依存の帰還兵役に挑戦 ─ 「とても複雑な役柄、見事に演じ切っている」ルッソ監督が絶賛

トム・ホランド
Photo by THE RIVER

いまやスパイダーマン役で世界から愛される俳優トム・ホランドは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のアンソニー&ジョー・ルッソ監督と再タッグを組む新作映画『チェリー(原題:Cherry)』で、ドラッグ依存の帰還兵という難役に挑戦している。撮影の進む中、ルッソ兄弟がトムの演技に賛辞を贈った。

実話に基づく同名小説を映画化する本作で、トムは原作者であり主人公のニコ・ウォーカー役を演じる。ウォーカーはイラク戦争に派兵され、戦場でPTSDを患ってアメリカに帰還。PTSDの治療薬として処方されたオピオイド(麻薬性鎮痛薬)の依存症となった。借金地獄から抜け出すべく、ウォーカーは銀行強盗に手を染めていく……。

『チェリー』でトムが挑むのは、“親愛なる隣人”とはうってかわって、犯罪とドラッグに溺れていくという難役。米Colliderにて、ジョー監督も「とても複雑な役柄です」と認めている。しかしトムは、今回も俳優としてのポテンシャルを存分に発揮しているようだ。

「トム・ホランドはやり切っていますよ。この役を見事に演じ切っている。僕たちも非常に誇りに思っています。(トムは)演じられるかぎり複雑な役柄として演じている。すさまじい仕事をしてくれています。」

トムは本作のために大幅な減量に挑戦。過酷なトレーニングの過程で、駅で倒れてしまったというエピソードまで明かしていた。ピーター・パーカーのイメージを刷新するヘアスタイルなどビジュアル面の取り組みもさることながら、内面の構築も大きなポイントとなる。

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なおジョー監督は、原作小説について「大きな議論を呼ぶ本。オピオイド危機について描いています」と語った。オピオイド危機とは、鎮痛剤として米国で一般的に処方されてきたオピオイドに強い依存性があり、乱用による死者の急増が社会問題化していることを指す言葉だ。「僕たちはオハイオの出身ですが、オハイオはオピオイド危機の中心地と考えられています。僕たちと親しい人々もたくさん亡くなりました。難しい主題を扱っているんです」。アンソニー監督も、本作のテーマについて「PTSDやイラク戦争、あの戦争が残したもの、オピオイド処方…」と挙げている。

トム・ホランドのほか、共演者には『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』2部作でペニーワイズ役を演じたビル・スカルスガルド、『心のカルテ』(2017)のシアラ・ブラヴォ、『ミッドサマー』(2020年2月公開)のジャック・レイナー、人気ラッパーのカイル。脚本は「The Path/ザ・パス」(2016-2018)のジェシカ・ゴールドバーグが執筆した。なお原作者のウォーカーは2011年に逮捕され、原作小説を2018年に獄中から刊行。2020年に釈放される見通しだ。

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Source: Collider, Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。