『ハリー・ポッター』映画版監督、ドラマ版がうらやましい「すべて映像化したかった」 ─ J・K・ローリングには「作家と作品、切り離して考えるべき」

映画『ハリー・ポッター』シリーズの監督を務めたクリス・コロンバスは、現在撮影中のドラマ版に関与する意思はないという。もっとも映画版では再現できなかった原作の要素があるといい、ドラマ版をうらやましく思っているようだ。
第1作『賢者の石』(2001)と第2作『秘密の部屋』(2002)で監督を務め、第3作『アズカバンの囚人』(2004)では製作を手がけたコロンバス。シリーズ初期の成功に大きく貢献したが、米Varietyの取材では『ハリー・ポッター』からの卒業を明言している。
「いや、もう終わりました。僕のバージョンを見たでしょう? ポッターの世界観で僕にできることは何もありません。」
ただし、リブートそのものには好意的だ。「第1作から第3作まで、すべてを映像化したかったけれど叶わなかった」と振り返り、原作1巻に対して1シーズンを費やすというドラマ版でより忠実な物語が描かれることに期待を寄せている。
コロンバスが映像化したかった要素のひとつが、ホグワーツに住み着くポルターガイストの“ピーブス”だ。「映画に登場することはありませんでした。あのキャラクターを掘り下げる余地がなかった」という。
また、ハリーとハーマイオニーが薬を飲まされ、“毒かもしれない”と心配する展開もそのひとつ。「あの素晴らしいシーンを映画に収めることはできなかったけれど、HBOのドラマシリーズにでは必ず描かれるでしょう」という。
先日は、ドラマ版でハリー役を演じるドミニク・マクラフリンと、ハグリッド役のニック・フロストがロンドンで撮影している様子が大きな話題となったばかり。その写真を見て、コロンバスは“デジャヴ”を感じたという。「ちょうど20年前ですから!日曜日にダン(映画版のハリー役ダニエル・ラドクリフ)とロビー・コルトレーン(ハグリッド役)の代役を務めたマーティン・ベイフィールドと一緒に撮影したんです」と『賢者の石』撮影当時を懐かしんだ。
ちなみに、近年トランスジェンダーをめぐる発言で物議を醸している原作者J.K.ローリングについては、「時には、アーティストと作品を切り離して考えることが大事だと思います」と複雑な心境をのぞかせた。「残念です。彼女の主張には全く同意しません。ただ、悲しい。本当に悲しいです」。
ドラマ版『ハリー・ポッター』は米HBOおよびHBO Maxで2027年に放送・配信予定。
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Source: Variety