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『羊たちの沈黙』続編ドラマが製作決定 ─ レクター博士は登場せず、捜査官クラリスの描かれざる物語に

羊たちの沈黙
© Orion Pictures Corporation 写真:ゼータ イメージ

トマス・ハリスが1988年に刊行、1991年に映画化された傑作スリラー小説『羊たちの沈黙』の続編となるドラマシリーズ「クラリス(原題:Clarice)」が、米CBS局にて製作されることがわかった。米Deadlineなど複数のメディアが報じている。

「クラリス」では『羊たちの沈黙』の出来事から1年後の1993年を舞台に、FBIの訓練生だった主人公クラリス・スターリングの“語られざるパーソナルな物語”が描かれる。クラリスはシリアルキラーや性犯罪者を再び追うかたわら、ワシントンD.C.に広がる危険な政治の世界に足を踏み入れていくのだ。おなじみの連続殺人犯、ハンニバル・レクターはシリーズには登場しない見込みだという。

CBSは本作をシリーズとして製作する意向だが、まずはパイロットが製作され、その後シリーズ化の可否が決定される予定。脚本・製作総指揮を務めるのは、CBSにて「スター・トレック: ディスカバリー」(2017-)や「スター・トレック:ピカード」(2020-)を手がけているアレックス・カーツマン&ジェニー・ルメット。パイロット版の脚本は執筆されており、すでにシリーズ化に向けて脚本家チームも結成済み。カーツマン&ルメットは、製作決定にあたり以下の声明を発表している。

「20年以上の沈黙を破り、アメリカにおける不朽のヒーローのひとり、クラリス・スターリングに声を与えられることを誇りに思います。クラリスの勇敢さと複雑さは、つねに進むべき道を照らしてきました。彼女自身の物語が、いまだ謎に包まれていてもです。けれども彼女の物語は、現在の私たちにとても必要なもの。彼女の闘い、彼女の復活、彼女の勝利が必要なのです。今こそ彼女が輝くときです。もちろん、これまでも。」

本作を手がけるのは、『羊たちの沈黙』など映画版シリーズの権利を有するMGMと米CBS Television Studios、そしてカーツマンの製作会社Secret Hideout。製作総指揮には、カーツマン&ルメットと「スター・トレック: ディスカバリー」を手がけるヘザー・カディンらも名を連ねている。なお、ドラマ版で主人公クラリス・スターリングを演じる女優は発表されていない

2012年、MGMはクラリスの若き日を描くドラマを企画していたが、こちらは実現しなかった。ちなみに米NBC製作、マッツ・ミケルセン主演ドラマ「ハンニバル」(2013-2015)にはシーズン4にクラリスを登場させる構想があったものの、こちらは権利の都合で叶わず、シーズン3をもって製作は終了している(ただし製作陣はシリーズ継続をいまだ模索中)。

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Sources: Deadline, The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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