なぜ『キャプテン・マーベル』はラブストーリーじゃなかったのか ─ マーベル社長が理由を解説

マーベル・シネマティック・ユニバース史上はじめての女性ヒーロー映画『キャプテン・マーベル』の魅力は、脇目もふらずに主人公キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルというキャラクターの造形を掘り下げていくストイックな作劇にある。MCU作品の多くに含まれるラブストーリーの要素をも退けながら、物語は「キャロルの失われた記憶」という謎の真相をめざして突き進むのだ。
なぜ『キャプテン・マーベル』はラブストーリーではなかったのか。なぜ、そちらの方向性へと舵を切るという選択がなされなかったのか。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、この疑問にきわめてシンプルな答えで応じている。
この記事には、映画『キャプテン・マーベル』のネタバレと捉えうる情報が含まれています。

「そういう映画じゃないから」
シンプルだ。あまりにもシンプルである。米ScreenRantのインタビューで、『キャプテン・マーベル』に恋愛要素が含まれないこと、恋愛対象となる人物が登場しないことについて問われたケヴィン社長は「そういう映画じゃないから」だと言い切ったのだ。いわく、キャロルが恋に落ちる人物を登場させることは脚本段階で検討すらなされなかったという。
「この映画は、キャロルが自分自身を発見し、成長し、失敗して、女性のメンター(師匠)や友人たちに支えられるという物語。マリアとの関係が非常に大切だったんですよ。」
米Comicbook.comの取材において、このことを社長は「彼女(キャロル)のオリジン・ストーリー」と言い換えている。すなわちキャロルがスーパーヒーローになるうえで、恋愛や恋愛対象となる人物は必要なかったということなのだ。キャロルを導いたスターフォースの司令官ヨン・ロッグ(ジュード・ロウ)、地球で出会う若き日のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)との間にも恋愛関係はまったく示唆されず、したがって観客が予感する余地もない。

その代わり、キャロルという人物にとって重要なものとして描かれるのは、ケヴィン社長も言及したマリア・ランボーとの関係性だ。キャロルとは空軍のパイロット時代の友人なのだが、本作はトリッキーな構造をもつストーリーゆえ、その関係も決してストレートには描かれない。ケヴィン社長は、キャロルとの関係を見せ切ったマリア役のラシャーナ・リンチを「すばらしかった」と絶賛している。
「この映画のオリジン・ストーリーはユニークな構造なので、最初は二人の絆がちゃんと強くなってくれるのかが心配だったんです。[中略]うまくいくだろうかと。そのあと、オーディションで(ラシャーナに)会って、それからデイリー(編注:未編集の映像素材)を見たんです。ああ、成功してる、と思いましたね。二人はすばらしかったですよ。」
映画『キャプテン・マーベル』は2019年3月15日(金)より全国公開中。
『キャプテン・マーベル』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/captain-marvel.html
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Source: SR, Comicbook.com