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『キャプテン・マーベル』なぜ舞台は1990年代? 目指すは「わかりやすくてカッコいいアクション映画」

映画キャプテン・マーベルは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)から『アントマン&ワスプ』(2018)、そして『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』を繋ぐ、きわめて重要な一本だ。その全貌は謎に包まれたままだが、サノスと戦う最後のカギは、この“史上最強”の女性ヒーローに隠されているにちがいない。

また『キャプテン・マーベル』は、1990年代を舞台とする、いわばマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を根底からひっくり返す可能性すら秘めた物語でもある。トニー・スタークがアイアンマンになる以前、まだキャプテン・アメリカが長い眠りに就いていたころ、ニック・フューリーが初めて出会ったヒーローが主人公キャロル・ダンバース/キャプテン・マーベルなのだ。

では、なぜ製作チームはキャプテン・マーベルの物語に“1990年代”を選ばねばならなかったのか? いつもながら秘密主義が貫かれたMCUの最新作について、米Entertainment Weeklyでは秘密の一端が語られている。

キャプテン・マーベル、なぜ1990年代に登場するのか?

思えば1990年代は、近頃のMCU作品にしばしば登場する年代である。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)の回想シーンは1991年、『ブラックパンサー』(2018)の冒頭シーンは1992年だった。もっといえば、『アントマン』(2015)はその年代にかぎりなく近い1989年から始まる。しかし、物語のすべてが過去を舞台に展開する作品は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)、ドラマ「エージェント・カーター」(2015-2016)以来だ。

エグゼクティブ・プロデューサー(製作総指揮)を務めるジョナサン・シュワルツ氏は、1990年代という舞台設定について、「(主人公)キャロル・ダンバースが、シネマティック・ユニバースのなかで、自分自身の居場所を作り上げることができる」ものだと述べている。そして彼女は、「大勢いるスーパーヒロインのうちの一人ではなかった」と……。

いささか抽象的で真意が掴めないが、間違いなく1990年代という舞台設定には必然性があるはずだ。これまで私たちが見ていた世界にはキャプテン・マーベルがすでに存在したのだし、ニック・フューリーは彼女がどこかにいることを知っていたのである。“1990年代にキャロル・ダンバースが何をしたのか”ということこそが最大のキーポイントだと予想しても、そう的外れではないのではないだろうか。

またジョナサン氏は、これまでMCU作品が1970年代のポリティカル・スリラーや1980年代の青春映画を参考にしてきたのと同じく、『キャプテン・マーベル』では1990年代のアクション映画を参考にしていると強調する。以前マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は『ターミネーター2』(1991)を例に挙げていたが、ジョナサン氏はさらに多くの作品を列挙したのだ。

「90年代のアクション映画は参考として悪くないですよね。ロボコップ(1987)、『トータル・リコール』(1990)、『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997)もちょっとだけ。それから『ターミネーター2』『インデペンデンス・デイ』(1996)。わかりやすいアクション映画風で、キャラクターが基本にありながら、すごくカッコいい。そういう作品をずっとやりたかったんです。」

本作でメガホンを取るのは、1979年生まれの女性監督アンナ・ボーデンと、1976年生まれのライアン・フレック。ともに1990年代の映画にはリアルタイムで親しんできたであろう年代のクリエイターだ。アンナ監督は「90年代ってそんなに昔だとは感じないんですよ、すっかり年を取ったから(笑)」と述べつつ、「この映画を作っていると、90年代のものがいかに古びてしまったかに気づかされます。でも、そういうものがすごく面白いんですよ」と語っている。

映画『キャプテン・マーベル』は2019年3月8日に米国公開予定。主演は『ルーム』(2015)のブリー・ラーソンが務める。

Source: EW

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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