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『君の名前で僕を呼んで』脚本家、シャイア・ラブーフのオーディションを「衝撃的」「圧倒された」と回顧

君の名前で僕を呼んで
©Frenesy, La Cinefacture

ルカ・グァダニーノ監督による映画『君の名前で僕を呼んで』(2017)でアーミー・ハマーが演じたオリバーには、脚本の執筆段階では別の俳優が想定されていた。『トランスフォーマー』シリーズなどで知られるシャイア・ラブーフだ。脚本を執筆したジェームズ・アイヴォリーによれば、オーディションに参加したシャイアは、エリオ役のティモシー・シャラメと「衝撃的な」化学反応を起こしていたという。

アイヴォリーは、これまでのキャリアの記憶を綴った回想録『Solid Ivory』を上梓(2021年11月2日出版予定)。その一部分を米GQが紹介している。『君の名前で僕を呼んで』のチャプターでアイヴォリーは、シャイア・ラブーフがオリバー役のオーディションに参加していたエピソードを回顧。アイヴォリーは、「あの時点ではどうかと思っていたのです。彼のことを知らなかったのですから」とシャイアの印象を記している。そのため、シャイアの出演作を鑑賞したというアイヴォリーは「ずば抜けて良い俳優だ」と思ったそうだが、彼の真価を実感したのはオーディション現場でだった。

「シャイアは飛行機代を自分で払って、ニューヨークで行われたティモシー・シャラメとの読み合わせに来てくれました。ルカ(監督)も私も圧倒されっぱなしで。あの2人による読み合わせは衝撃的でした。彼らは、本当に説得力のあるホットなカップルを作り出してくれました。

『眺めのいい部屋』(1986)や『日の名残り』(1993)など、巨匠監督でもあるアイヴォリーをして「衝撃的」と言わしめたシャイアだったが、役を掴むことはなかった。アイヴォリーは、落選の理由について明言を避けているようだが、「彼は悪目立ちしてしましたからね」と当時シャイアが抱えていた私生活の問題について言及した。その後、「シャイアに励ましのメールを送った」というアイヴォリー。しかし、ルカ監督がアーミー・ハマーの起用を決定した後は、「シャイアに声をかけることも、彼のことを話すこともなくなった」という。

ところでアイヴォリーは、『君の名前で僕を呼んで』で脚本と共同監督を兼任する予定だった。しかし、ルカ・グァダニーノ監督と創造上の齟齬をきたしていたアイヴォリーは、「ルカや他の誰からも何も言われることなく降板させられた」と振り返っている。ハマーについても「ルカが起用した」とあえて記したアイヴォリー。その行間からは心残りが感じられてならないが、アイヴォリーは降板直後の心境をこう綴っている。「ルカとの決別で最も動揺させられたことは、私の人生が台無しになってしまった、ということでした」と。

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Source: GQ

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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