『リメンバー・ミー』ママ・ココには実在のモデルがいた ─ 当時105歳のマリアおばあちゃん、家族に囲まれ元気な姿も

2017年公開のディズニー&ピクサー作品『リメンバー・ミー』では主人公の少年ミゲルの物語が描かれるが、本作を語る上で欠かせない人物がもう一人いる。一家からはママ・ココの愛称で呼ばれるミゲルの曾祖母、ソコロ・リヴェラだ。実はママ・ココには、モデルとなった実在の人物が存在するのをご存知だろうか。
2018年、中国のメディアNew China TVはその人物が住んでいるというメキシコ南部の集落、サンタ・フェ・デ・ラ・ラグナを取材に訪れた。ママ・ココといえば、口を閉ざし、家にこもりっきりだったおばあちゃんだ。しかし、死者の国での冒険を経たひ孫のミゲルが歌う「リメンバー・ミー」を聞くと、優しい笑顔と柔らかな声を取り戻す。
ママ・ココのモデルとなったのは、公開当時105歳だったマリア・デ・ラ・サルー(Maria de la Salud)という名の女性。人生を陶芸に捧げてきた人物だという。取材にはマリアおばあちゃんや彼女の孫が登場し、『リメンバー・ミー』製作陣とのやり取りを振り返っている。
マリアおばあちゃんによると、製作陣は「ただ家に来て、写真を撮っていった」という。その謝礼として、製作陣はマリアおばあちゃんに欲しいモノを尋ねたというが、マリアおばあちゃんは何も見返りを求めなかったそう。その懐の深さは、次の発言からハッキリとうかがえる。
「私の暮らしをご覧ください。私は一人だけど、ここには娘たちが住んでいる。家の奥で、私は一人で暮らしています。それが私にあるものなんです。」
マリアおばあちゃんがママ・ココのモデルであることは一部ファンの間では有名な話なようで、孫娘のレティシア・ペレスによると、世界中のファンがやって来てママ・ココに会いに来るのだとか。なかでもペレスは、インタビューで日本のファンのことを挙げながら、「とても嬉しいことです」と語る。
もっとも、ペレスら家族はママ・ココのモデルがマリアおばあちゃんであるという事実をより広く世界から認知されたいと願っているようだ。「彼女(マリア)がママ・ココではないと主張できるように、製作の方々は写真だけ撮っていきました」と複雑な気持ちを明かす孫娘のペレス。「でも、彼女こそが本当のママ・ココなんですよ」。
また、マリアおばあちゃん本人も、劇中のママ・ココについて「あれは私の名前ではありませんよ。彼らはあの名前(ソコロ・リヴェラ)を選んだ」と笑いながら話す。「いろんな人がやって来て、あれが私の名前だと言われてきましたけど、私はそれは違うと答えました。私の名は、マリア・デ・ラ・サルーです」。
2022年現在、マリアおばあちゃんのその後は不明だが、2021年にはエクアドル最大の日刊紙「El Universo」がマリアおばあちゃんが108歳になったことを報じている。映像では、元気に歩くマリアおばあちゃんの姿が確認できたが、この今も『リメンバー・ミー』のママ・ココのように子どもや孫に囲まれて微笑む姿が目に浮かぶようだ。
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Source: El Universo