米コムキャスト、21世紀フォックス買収に現金7兆円で再参戦 ─ ディズニーと本格的な争奪戦に

米ウォルト・ディズニー・カンパニーによる21世紀フォックス社の事業買収に、コムキャスト社が強力な一手を打って出た。

ディズニーによる21世紀フォックスの事業買収劇に、米通信・メディア大手のコムキャストが再参入。650億ドル(およそ7兆1,700億円)での買収を提案した。The NewYork Timesなどが伝えている。コムキャストは全額を現金で用意するという。これはディズニー間で株式取引として合意していた524億ドル(およそ5兆7,760億円)の条件を大きく上回る。

コムキャストが「後攻」を仕掛けるのには理由がある。同社は2017年にも打診を行っていたが、ケーブルテレビ事業者である同社が、メディア事業者21世紀フォックスを買収するのは独占禁止法(反トラスト法)に抵触するのではないかとの懸念があった。21世紀フォックスは、こうした事情からディズニーを選んでいたのである。

しかし12日、米通信大手AT&Tによるメディア大手タイム・ワーナー社の買収が容認され、「垂直統合」の実例が現れたことから、この度の提案に至った。

コムキャストはかねてより、ディズニーを上回る買収金額を提示するべく資金調達中との動きが報じられていた。21世紀フォックスとディズニー間では既に合意がなされており、買収が中止された場合は違約金として15億2,000万ドル(約1,666億円)が発生することになっていたが、コムキャストの提示した金額にはこの保証金も含まれている。つまりコムキャストは、21世紀フォックス社にとってリスクのない万全の条件・環境を整えてディズニーに挑んできたと言える。

コムキャスト社はこの提案と共に、以下の声明を発表。ディズニーとの真っ向勝負に挑む姿勢が伺える。

「ディズニーとの合併契約提案に対する我々の一手で、21世紀フォックスの幹部陣に対し、コムキャストの提案が明らかに優れていること、ディズニーとの合併を取りやめていただきたいこと、代わりに、コムキャストと誠意を持って交渉し、提案に関して最終的な合意を取るべきである、との明確なメッセージを伝えたい。」

ディズニーは、2019年に開始を予定する独自のストリーミング・サービスの配信ラインナップ増強、および21世紀フォックスが有する『スター・ウォーズ』シリーズやマーベル・キャラクターの権利を獲得するのが大きな狙いのうち。この一手によってディズニーは、コムキャスト社よりも優れた条件での再提示を強いられることとなった。

Source:NYT,Deadline,THR
Eyecatch Image:Mike Mozart 

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THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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