トム・クルーズ「不安に向き合い続けろ、目を逸らすな」 ─ 『ミッション:インポッシブル』共演者への助言

トム・クルーズはいかなる危険なスタントからも目を逸らさない。『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』(2023)では、バイクに乗ったまま高さ1200mの断崖から大ジャンプした。不安や恐怖に打ち勝ち、自身が飛び立つその先一点を見据える。

こうしたメンタリティは肉体面のみならず、精神面でも有用だ。『ミッション:インポッシブル』シリーズでクルーズと共演するヘイリー・アトウェルは社会不安に苛まれることがあったが、彼からのアドバイスによって克服することができたという。クルーズが提唱したのは、なんと「不安や恐怖と向き合ってみる」という、アトウェルの考えとは真逆のアプローチだった。
ハリウッド俳優として見事な活躍を見せるアトウェルだが、彼女も不安症に悩まされた一人。「部屋に入ると、不安が押し寄せてきて、自分の中に閉じこもりたくなってしまう。“私、変に見えないだろうか?ぎごちないだろうか?”と、考えすぎてしまうんです」。そんなアトウェルにクルーズが言ったのは、「逆のことをやりなさい」という対処法だ。
ポッドキャスト番組に出演したアトウェルは、クルーズからこう助言されたと語っている。「周りを見渡してみるんです。部屋を見渡して、そして外に出る。不安を感じる原因はどこにあるのか?学校でいじめられていたことを思い出させる人がいるのか?あそこにいる人に、以前仕事を貰えなかったのか?あそこにいる人は、自分に意地悪をしてきた人なのか?」
自身の精神を乱す根源をじっくり見つめれば、「不安に名前がつくようになる」とアトウェルは実体験を話す。例えば、「“ああ、嫉妬してるんだね”とか“私はすごく孤独なんだ”とか“その人の才能や自信をすごく恐れているんだ”とか」。そのように、不安にラベル付けができるようになるのだとアトウェル。「不安の正体を解明できるようになると、漠然とした不安感がなくなるし、何かに取り組む機会がちゃんと得られるようになるんです」。
アトウェルがクルーズから教わったのは、「何かを恐れているのなら、向き合い続けてみろ」ということだ。「彼は、“目をつむったり、顔を逸らしたりしてはダメだ。とにかく見続けてみろ。そうすれば、乗り換えるにはどうすべきかがわかるはずだから”と教えてくれたのです」。

アトウェルは『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』で、クルーズが演じるイーサン・ハントと共に危険な任務に挑むグレース役として合流。当時すでに27年続いていた人気長寿シリーズへの参加とあって、プレッシャーも大きかったはずだ。クルーズの助言に従うようにして、アトウェルは劇中で不安を一切感じさせない堂々たる姿を披露。続編『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は2025年5月23日、日米同時公開だ。
▼ トム・クルーズの記事
【レビュー】『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』スタントは壮大に、プロットは難解に それでも観るべき理由 トム・クルーズ、リーダー論語る「全員を光らせる」「本人すら気付かぬ才能を見つける」 ─ 『ミッション:インポッシブル』には「毎回不満がある」 ビジネスリーダー必読 『トップガン』アイスマンの噛みつきシーン「昨日のように思い出す」トム・クルーズが懐かしむ 「俺は危険だ」 トム・クルーズ、トランプ大統領の「映画関税」へのコメントを回避 ─ 『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』韓国記者会見で 今後も同様の質問が頻発しそう トム・クルーズ、『Sinners』を「劇場で観るべき」と絶賛 ─ ライアン・クーグラー&マイケル・B・ジョーダンの新作に敬意 日本でも上映されないかな
Source:Reign With Josh Smith