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スパイク・リー最新作『ザ・ファイブ・ブラッズ』サミュエル・L・ジャクソン、デンゼル・ワシントンら出演の計画あった

ザ・ファイブ・ブラッド Da 5 Bloods
Netflixオリジナル映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』独占配信中

『ブラック・クランズマン』(2018)などの鬼才スパイク・リー監督が、最新作となったNetflixオリジナル映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』に、サミュエル・L・ジャクソン、デンゼル・ワシントン、ジャンカルロ・エスポジートらの出演を計画していたことがわかった。

Colliderにてジャンカルロが明かしたところによると、リー監督は実現に向けて、サミュエル、デンゼル、ジャンカルロらとの話し合いに入っていたとのこと。当時の計画では、3人のほか「デンゼルの息子」も参加する予定だったという。おそらく、“デンゼルの息子”とは『ブラック・クランズマン』で主演を務めたジョン・デヴィッド・ワシントンのことだろう。

ジャンカルロが『ザ・ファイブ・ブラッズ』で交渉に入っていたのは、完成版でノーム・ルイスが演じたエディ役。実際のところはわからないが、もしもワシントン親子をキャスティングできていたとしたら、デルロイ・リンドーとジョナサン・メジャースが演じたポール&デヴィッド親子を実際の親子が演じた可能性もあったのだろうか。

ともかく、本作にサミュエル&デンゼル&ジャンカルロの出演は叶わなかった。理由は撮影スケジュールが延びたことと、リー監督が全編をアメリカ国外で撮影する構想だったため。たとえばジャンカルロの場合、ドラマ「ベター・コール・ソウル」(2015-)と映画『Godfather of Harlem(原題)』の撮影が入っており、スケジュールの調整がつかなかったそう。「スパイク・リーのことは大好きだし、尊敬しています。彼が映画で生み出すメッセージは力強い」と語り、「出演できなくて本当に残念だった」と回想している。

ジャンカルロ・エスポジート
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/29734230078/ Remixed by THE RIVER

インタビューの時点で、ジャンカルロは『ザ・ファイブ・ブラッズ』をまだ観ていないという。「スパイクの脚本にはいろんなことが詰まっている。(舞台設定が)僕が育った時代に近いし、脚本がどう映画化されたのかが楽しみです」。

ちなみにジャンカルロは、リー監督による『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989)や『マルコムX』(1992)に出演。『ドゥ・ザ・ライト・シング』には、黒人男性のラジオ・ラヒーム(ビル・ナン)が白人警官によって窒息死させられるシーンがあったが、2020年5月には、米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイド氏が白人警官の行為で死亡する事件が発生。人種差別に反対する「Black Lives Matter」運動が起こった。その後、リー監督は『ドゥ・ザ・ライト・シング』を引用したショートフィルムを発表している。

現在の情勢を踏まえ、ジャンカルロは「スパイク・リーは時代のずっと先を行っていた。今という時代を映していたんです」と語った。そして、一連の出来事を悲しみながらも、30年以上を経てなお『ドゥ・ザ・ライト・シング』が現在に通じる作品であることには喜びの言葉を口にしている。それから、今でもリーの才能はまったく失われていない、とも。

「すごく勇気があるなと思うのは、彼が賭けに出るところです。たとえ全員が納得しなくても賭けに出て、リスクを取って、まったく新しいものを作る。ここ最近、彼の映画づくりは進化していて、より深みのある、さらに核心的な意見をさりげなく出してくる。とても素晴らしい仕事だと思います。この映画(『ザ・ファイブ・ブラッズ』)も観るのが楽しみですよ。」

Netflixオリジナル映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』は独占配信中。

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Source: Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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