『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督の新作映画が始動、2025年に米公開へ ─ 『バビロン』パラマウントと再タッグ

『ラ・ラ・ランド』(2016)のデイミアン・チャゼル監督が、パラマウント・ピクチャーズのもとで新作映画(タイトル未定)を手がけることがわかった。ラスベガスで開催された映画イベント・CinemaConでは、2025年米国公開予定と発表されている。
『セッション』(2014)『ラ・ラ・ランド』、そして前作『バビロン』(2022)と、チャゼルの監督作品は『ファースト・マン』(2018)を除くすべてが自身のオリジナル脚本作となっている。今回の新作映画も、やはりチャゼル自身が脚本を執筆したとのこと。プロットは不明だが、米Deadlineによると刑務所が舞台の物語だという。
2025年の米国公開予定というスケジュールからも想像できるように、パラマウントは本作の優先順位を高く設定している模様。現時点で撮影スケジュールは明らかになっておらず、キャスティングも決まっていないが、近くチャゼルとスタジオはスター俳優たちとの面会を始めるものとみられている。
チャゼルとパラマウントがタッグを組んだ『バビロン』は、サイレントからトーキーに移行する時代のハリウッドを描いた野心作で、ブラッド・ピット&マーゴット・ロビーの共演も話題を呼んだ。しかしながら製作費8,000万ドルに対し、全世界興行収入は6,356万ドルと興行的には惨敗。それでもパラマウントは、再びチャゼルを迎えて新作映画に臨むことを決断したようだ。
この背景には、パラマウントが『バビロン』が公開された2022年12月にチャゼルとの包括契約を結んでいたこともある。本作は契約後はじめての監督作となるが、チャゼルとプロデュース・パートナーであるオリヴィア・ハミルトンは、パラマウント製作&デヴィッド・エアー監督のスリラー映画『Heart of the Beast(原題)』のプロデュースを務めているのだ。
ただし、チャゼルの状況が決して安泰でなかったことは本人のコメントからも明らかである。2024年3月、チャゼルは『バビロン』の興行的失敗に触れて「次の作品を作ることができないかもしれない」とさえ言い、「『バビロン』並みの予算はすぐにはもらえないでしょう。少なくとも次の作品では無理だと思います」とも述べていたのである。さて、パラマウントは新作映画にどれだけの予算を投じることになるのだろうか?
デイミアン・チャゼル監督の新作映画(タイトル未定)は2025年に米国公開予定。
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Source: Deadline, The Hollywood Reporter