あえて今こそベン・アフレック版『デアデビル』の話をしよう

どういうわけか、Netflixのドラマ「デアデビル」がアメリカの視聴数ランキングで急上昇したって?そりゃ最高だ!どうして急に注目されるようになったのかはサッパリ分からないが、なんてったって「デアデビル」は最高にカッコいいドラマシリーズだからね。
でも待ってくれ。デアデビルはNetflixのドラマシリーズだけじゃない。まさか忘れたはずはないだろう。我らが“マン・ウィズアウト・フィアー”は、2003年にも一度実写映画されていたことを。それも、あのベン・アフレック主演で!
2003年版『デアデビル』は、間違いなく今こそ再評価すべき作品だ。アメコミヒーロー映画はすっかり複雑化を極めているが、『デアデビル』には、2000年代前半ならではの、シンプルで、ダークで、スタイリッシュな美徳が、雷鳴と共に宿っている。
しかしながら事実として、映画『デアデビル』は、一般的には低評価とされる作品だ。米レビューサイトのRotten Tomatoesを覗いてみると、批評家スコアは44%、観客スコアは35%。あまり擁護のしようもない低さである。
いやいや違う、違うんだ。きっと当時の批評家や観客は、『デアデビル』の真価をわかっていなかったんだ。この映画は、公開からおよそ20年(もう20年!)経った今こそ、鋭い魅力を放つ作品なのである。
そこで今回は、あえて2003年版の『デアデビル』への偏愛を、たっぷりと語らせていただきたい。「そういえば、昔観たなぁ」という人はきっと観返したくなるはずだ。まだ観ていないという人は、今すぐ視聴したくなる……はずである。
『デアデビル』当時の酷評はこんなだった
『デアデビル』に再び救済の光を当てる前に、まずは当時のレビュワーが本作をどう酷評していたかを見てみよう。Rotten Tomatoes上で公開当時のレビューを遡って見てみると……。
「好きになれない、気取った映画。ここ数年で最もガッカリさせられたブロックバスター映画」(Commercial Appeal)
「悩めるヒーローなんて、もう新しくねぇんだよ」(rec.arts.movies.reviews)
「コミックの実写化として酷いということじゃなくて、ただ単に酷い映画」(Needcoffee.com)
「ひたすら暗く、脚本も陰気で、アフレックは完全に気が抜けている」(Movie Metropolis)
ね?散々な言われようでしょう?実際に主演のベン・アフレックは、本作でラジー賞の不名誉にも選ばれている。この酷評の言っていることは大当たり(ブルズアイ)かって?いいや、大ハズレだ!
- <
- 1
- 2