『ザ・マミー』ダーク・ユニバースに存続の危機、主要スタッフが離脱 ― 事実上の凍結状態か

トム・クルーズ主演、映画『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017)でスタートしたユニバーサル・ピクチャーズの新企画「ダーク・ユニバース」が早くも存続の危機に立たされているという。米The Hollywood Reporterが報じている。

ダーク・ユニバースとは、ユニバーサル社が過去に製作してきた名作モンスター映画の数々を次々にリメイクしていく企画で、『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』で幕を開けたばかり。「ユニバース」という名前の通り、一連の作品はひとつの世界観を共有する方針であり、実力派スタッフが脚本・監督を務め、ジョニー・デップやバビエル・バルデムといった豪華キャストがモンスターを演じることが発表されていたのだ。

ダーク・ユニバース

(C)Universal Pictures

主要スタッフ2名が離脱、事実上の凍結か?

THR誌によると、ダーク・ユニバースの舵を取る人物として雇われた、『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』を手がけたアレックス・カーツマン、同作のプロデューサーを務めたクリス・モーガンがプロジェクトを離脱したという。二人は今後のダーク・ユニバース作品にも携わる予定だったが、現在アレックスはドラマ『スター・トレック:ディスカバリー』に集中しており、クリスは『ワイルド・スピード』シリーズのスピンオフ作品の執筆にあたっている。
この動きによって、ユニバーサルが巨額を投じて整備したダーク・ユニバースの専用オフィスには今やほとんど誰も出勤していないというのだ。

なお2017年10月、ダーク・ユニバースの第2弾として予定されていた『フランケンシュタインの花嫁(仮題)』の製作が無期延期となったことが発表されていた。『ジュラシック・パーク』(1993)や『ミッション:インポッシブル』(1996)のデヴィッド・コープが執筆した脚本をブラッシュアップするための判断とされており、『美女と野獣』(2017)のビル・コンドン監督は現在もプロジェクトに携わっているという。なお、主演候補だったアンジェリーナ・ジョリーの出演は一旦白紙とされたようだ。

こうして、いわば「事実上の凍結状態」となってしまったダーク・ユニバースだが、この背景には第1弾作品となった『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』の厳しい興行成績と評価があったとみられる。
THR誌が報じるところによれば、ユニバーサル社は事態の打開策として、知名度の高い映画監督やプロデューサーを新たに起用することを検討しているという。すでに候補者として、『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ(2007-2012)や『セッション』(2014)、『スプリット』(2017)、『ゲット・アウト』(2017)など主にホラー映画を得意とする気鋭のプロデューサー、ジェイソン・ブラムの名前が挙がっているという。
ただし新たな仕掛け人を迎えたのち、ダーク・ユニバースを一度忘れて単独映画が製作されるのか、あるいはコンセプトを練り直して再出発が図られるのかは不明だ。

幸いにもユニバーサル社は、ダーク・ユニバースとしてラインナップされていた複数の作品について、監督ほかスタッフのビジョンを最優先すること、作品の製作・公開を急がないことを明言している。
ひとまずは『フランケンシュタインの花嫁』の製作再開が望まれるが、“往年のモンスター映画を現代の感性で甦らせる”という魅力的なコンセプトを一作かぎりで失ってしまうのはあまりにもったいない。なんとか新体制での再出発を祈るばかりだ。

Source: http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/alex-kurtzman-chris-morgan-exit-universal-monsterverse-1055854
(C)Universal Pictures

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